房中術 南風老師 南風老師のHP 翻訳によるテキスト。出展不明。 このテキストは一切の転載、掲載、配布等を禁じます。 交接法によるものなので仙道で大周天目指す人には修行の妨げになります。 精力絶倫を目指す人はやってみてください。 1回5時間20日連続(@@)とかが可能になるそうです。 --------------------------------------------------------------------------------  男 女 双 修 功              第1章 道家の性愛の秘密   男性性能力の増強   男性の生命のエネルギーは精子の中に蓄えられている。   この道理を知らず、性機能の増強の方法を行わなければ、  どんな薬物も食べ物も、どんな精神上の救世主を信じても、人の寿命を延ばすことはできない。 (黄帝的烹煮医生) 中国8千年の歴史のなかで、今日まで全く世にでることがなかったものがある。  それは「性功夫」と呼ばれる性交時に射精を抑制する方法である。宮廷に仕える道教の聖人が考案し、  皇帝と権力者だけに密かに伝えられ採用されてきたために、一般には伝わることがなかった。  初め、君主達は、皇后と宮女たちへの香しき愛のサービスにあけくれ、極めて短命だった。  性エネルギーと寿命との関係を知らなかったのである。  「性功夫」は彼等を不幸のどん底から助けあげた。  そして代々、選ばれた一人の男子にだけに伝えられ、タブーとして隠され続けていったのである。  早くから知恵者の間では、精ともいわれる性エネルギーは自然界から人類に贈られた贈物だと言われていた。  性エネルギ−を増強する「性功夫」は男性の体内に存在するある種の分泌液、つまり精液をもらさないで行う性愛の方法である。  下半身の筋肉、筋腱、靭帯を使って射精を抑制するのであるが、性欲の高まりを途中で抑えてしまうのではなく、  一種独特な次元の高い性の高まりへ導き、高潮(エクスタシー)が性交中に絶え間なく続くというものである。  奥義は言うまでもなく、射精の快感に勝る長時間持続が可能な性の高まりの間中、一滴の精液の喪失もないということである。  そして、それによって生じた性エネルギーを体全体にひろげていく。  この時の性愛の快楽は、一般の生理上の歓楽とは全く違って強力で、精神上の覚醒をもたらす。  「性功夫」を続けていくと生殖器から性エネルギーが出ていってしまわないため、次第に精力が満ちてくる。  性欲はますます高まり、以前に増して性愛の回数が多くなる。  性の満足を感じる度に、性エネルギーが蓄えられて、生殖器官から湧いて流れるエネルギーの流れを意識できるようになる。  その流れは生殖器の中心から心臓へ、そして、頭部に至り、大脳と身体全体に生命力が充満する。  男女の肉体が発電機の働きをして、電気的なエネルギーを作り出すようになり、  幸福の瞑想の内に、異性との間に陰と陽とのエネルギーの循環と交換が成立する。  蓄えられた精子は性交中に振動して電気的エネルギーを生産し、それを体内に循環させることによって、生命力が飛躍的に高まる。  刺激されることで分泌されるホルモンの作用で身体に多大の良性効果をもたらし、ついには生命力自体の激烈な変化を起こさせるのである。    人類の愛情の表現である生殖活動を保証するこのエネルギーは、また人類の進化の原動力でもあった。       長寿薬としてのすぐれた能力  東洋の知恵者達は、長い間精液を放出しない性交の方法を探求し続けた。  彼等は性行為の奥に横たわる深い意味を知ろうとした。  そしてついに道家の聖人達は性愛の普遍的な原理をさぐり出すことに成功し、  以後多くの門派が競っていろいろな神秘的な性愛による長寿の方法を編み出した。  意識と肉体が本来持っている潜在的エネルギーを引き出すことが可能となったのである。  性愛は神経系統と内分泌系統を活発化し、気と血液の流れを促進し調整できるため、以前から治療の一種と考えられてきた。  インドでは精液は長寿薬と考えられ、一滴の精液は百滴の血液に相当すると知恵者は言う。  もし、一生の間中精液を漏らさず保持し続けたならば、死後身体が腐ることがないと信じられていた。  射精は内分泌系統と関連器官をも酷使し、生命のエネルギーが流失する。  その結果精力に自信をなくし、精のつく食物に頼るか、精神科の医師の治療を受けるばかりなのである。  反対に精液を消耗させず、そのエネルギーを身体内に循環させると、肉体の回復力が増強され精神的の洞察力が増強される。  不射精によって性交時間が延長される、精液は盛んに生産される。  精液は科学的分析によると、ビタミン、ミネラル、微量元素、ホルモン、蛋白質、イオン、酵素、その他生命に必要な栄養物質の宝庫だと分かっている。  もう一つ現在の化学では分析できない貴重な物があり、それは生命力ということができるが、どんな栄養素より重要な働きをしている。  現在の測定器ではまだ検出できない人々の想像を越えた物質で、生と死を分ける物質である。  朝鮮人参もまた化学では分析できない物質をふくむ植物であり、人体の回復を助けることが知られているが、  性愛は身体の健康と滋養に有効で、どんな植物、薬物より効果があるのである。  中国の君主と知恵者たちが「性功夫」を実践してきた一方で、一般の人の多くが身体への悪影響も考えず、  性の魅力に幸せを感じながら精液を喪失させてきた。  頻繁な射精は生命力を低下させ、精力を弱め、目も衰え、頭髪はてっぺんから抜け始め体は次第に衰弱していく。  始めのうちは枯渇していくのをはっきりとは感じないが、数十年の間には根本的なところで身体を弱め、  持って生まれた創造能力、性能力、病気と老衰に対する抵抗力は減退する。頼みの消化器官も食物の持つエネルギーを吸収しきれなくなってきて、  射精によって失われた生命力はとうてい挽回できるものではない。  精力を回復させようと金銭を使い、ホルモン注射、興奮剤、鎮静剤、各種複合ビタミン、幻覚剤、回春剤などを試みても、  このような薬物は気安めの一時的な効果しかない。  ところが道家のこの方法は、精液中のホルモン、蛋白質複合ビタミン、酵素、ミネラル、などを体内に再吸収して活用するだけではなく、  精子のもつ電気的エネルギーを体内に再循環させるため、強烈な快楽を得ることもさることながら、  身体強壮、心情愉快、さらには精神力の充実をもたらしてくれる。  また、性愛中に循環する性エネルギーの作用で内分泌腺が刺激され、良質なホルモンの分泌量を驚異的に増加させることができる。  更に重要なことは、性愛の高潮期に全身の神経が活発に作用し、情緒、思考力など精神的向上に優れた力を発揮することである。  この余剰生命力が肉体だけではなく精神を高めることができる。  なぜ秘密にされてきたのか  人類の滅亡を回避するために、水質、土壌、森林の保全、燃料の節約、食物の増産、建築材料と交通機関の効率化などが図られるが、  最終的には自然環境の保存の必要性に迫られる。しかし、我々はすでに地球が人類に提供した価値ある資源の大部分を使い果たした。  自然の資源は有限で商品の価格は高騰しているのにかかわらず、使い捨てにされる自家用車や、戦車やミサイルといった破壊するための機械を  絶え間なく生産し続けている。  人はみな天然資源の存続を渇望するが、自身の生命力という人類にとって最も重要な資源を保護しようとは思わない。  精液に備わっているエネルギーを蓄えて活用することは理に適ったことなのだが、この宝を国民も保健の専門家も知らなかったのである。  その理由は、道家の聖者達が生命エネルギーの原理を発見した時、  それを秘密にする制度を確立し、以後一千年にわたって世に出ることがなかったためである。  道家の師達は成功の秘訣をただ彼等の忠実な信徒だけをを選んで伝授した。  そのため信徒は互いに競いあい艱難辛苦に長い間耐え、自己犠牲によって教義への忠誠を証明しなければならなかった。  ではなぜ大衆に対して貴重な原理の秘訣を公開せず、秘密を守ったのだろうか。  迷信をひろめていたように見える古代の道家の聖者たちは、実は自然科学者であった。  火薬を発明する基礎になったのも道家の錬丹術であったように  医学、化学、鉱物学、生物学、航海術などその他多くの方面に渡って驚くべき成果をもたらし、科学の基礎を打ち立てた。  中国農村は当時人口は少なく、この卓越した知識をもって当たれば、容易に一族の長あるいは国王になることができ、この知識を利用して力を貯えれば、  他の部族や国からの攻撃を撃退することもできたのである。  であるから権力を得た道家の聖者達は獲得した知識が広まるのは危険だと考え、彼等がこの世を去る時に、少数の忠誠な信徒にだけ教義として伝えた。  信徒達はこれが濫用されて起こる結果を恐れ、大衆に広まって教義が歪められたり、もて遊ばれるようなことがないように管理する責任があった。  個人的に利用されないよう、往々にして教義を信徒に一部分づつ教えることによって、信徒たちが結束したとき最大の効果が発揮されるように配慮したのである。  もしその中の誰かが協力せず、伝授された一部分を一人じめするようなことがあると、永遠にその全部を復元できなくなってしまった。  部分的に伝授を受けた者たちが活躍する中で全体像が現れてくるのであった。  これまで個人の私生活はプライバシーであり、性生活に関して最近まで完全にタブー視されていた。  性の開放が叫ばれる今日、性は商品化され消費の面ばかり強調され、性エネルギーを蓄える方向には進まず、かえって本来の性の探求からは遠のいてしまっている。  性はうすっぺらなファッションとして、軽んじられている。  中国の宮廷社会では女性の性能力は尊重されてきた。道家に伝わる話しの中に、女性が性愛の奥義を掌握したために、  成功して不朽の名声を博したという話しがでてくる。彼女は当時の皇帝に認められ性愛の指導者となった。  また、歴史に残っている事例では、西暦690年に、唐の高宗が死んだ後に女皇になった宮廷の才女である武則天が、性愛の技術に長けていたため尊敬され、  そのため在位10年の間、よく国を治めたと記されている。  この秘密をなぜ現在披露するのか  時代が全く新しい局面を迎えているからである。生命の源泉を喪失したわれわれ人類は危機に直面している。  もし人類が過去二千年前の知恵に学び、新しい生命力を注入すれば、この危機を回避して生き残ることができると考えられるからである。  経済、産業、体育の分野では多くの専門家がいるが、生命、生活面の専門家はとても少ない。  創造的な活動は少なくなる一方で、麻薬、戦争、暴力の横行など破壊的な面が目立つ。  人々はテレビのような機械による娯楽に浸り、マスコミに踊らされ操作され、壊滅へと進んでいる。  まさに人類壊滅の危機に直面している状況である。  道家の思想では、「極まれば必ず反動が起こる。」「憎悪の中に愛の種を含んでいる」と説いている。  現代がそのときであると考えられる。破壊兵器、核弾頭ミサイルを搭載したジェット機が上空を旋回している今日こそ、  人類と自然界の均衡を回復する意識革命が起こらなければならないのである。               第二章 気とはなにか   精、気、神は生命の三種の宝  気の概念がわからないと道家の性エネルギーの蓄積という意味が理解できない。  感覚で把握できても、色、形がなく肉眼で見ることもできない気は、説明しにくいものである。  体外の気  まず気は、呼吸の字を借りて理解することができる。  物質の方面からみると気はわれわれが呼吸する自然界の空気の中にあり、  活力を回復させ、生存に欠くことのできないものである。  体内の気  天然の空気と食物の栄養を体内で結合させ作り出したある種のエネルギーが体内の気である。  固体化して血や肉や骨を作るもととなる。気が細胞内をながれるとき細胞は振動し続ける。  内臓をはじめすべての器官は気の作用で活動している。  大脳の働きである思考、感情などの精神活動も欲望もまた気のエネルギーの作用である。  気は体内を絶え間なく循環しているが気のリズムは自然で、体の生命活動と一致しているため感じ取ることができない。  古代の道家の知恵者は、気の流れは宇宙から来る微粒子の流れであって、  私たちの体の思想と精神の接着剤のようなものであり、体外と体内を結んでいる紐でもあると解いている。  当時は文明の雑音に邪魔されることなく、体内の気の状態を詳細に観察できた。  これらは医学に応用され漢方薬、針灸の理論の中で、23種の気の働きが今日伝えられている。  気は物質性を持ったエネルギーである。気の作用を電気の作用にたとえることができる。  部屋の明りをつけるとき、スイッチをひねる。すると電流が流れて光る。  同様に針灸師が肺のつぼに針を刺すと、肺の気の通路が開き、気が力強く流れるのである。  気は電磁波の性質をもった生命エネルギーとも言われている。  気は生物電気  現代科学での気の探求は、正と負の電気の理論で明らかにしようとしている。  それは陰陽の理論と合致している。最近の研究論文から引用してみよう。 「電気は、たいへん捕らえにくい物で、住宅の壁の中や細胞の生命の中に存在し、天空のいなずまからも来る。  足をひきずって歩いたり、金属製のとってをつかんだりしたとき感じる。電気は、プラスチックを軟化させたり、  油を滑らかにしたり、モーターを回し、コンピューターを制御する。  電磁波は可視光線、X線、無線の電波などである。磁石の磁力は無数の電子が高速で回転運動して発生する。  地球の磁極が溶解状態の金属核の高速回転運動によって起きているのと同じである。」 「人体は発電機のようなもので、帯電している。あなたのエネルギーの由来は朝食べた卵であり、  卵はめんどりの食べたとうもろこしから来ている。とうもろこしは光合成によって太陽の電磁波のエネルギーを吸収することによって作られたものである。」 「宇宙も電気を帯びているが、プラスとマイナスが均衡しているため電磁力は中性の性質である。  我々の周囲にある物体はすべて宇宙から充電され続けている。」  にんにくには熱エネルギーがあり、人体にとりこまれると発熱する。  だからにんにくの本体は熱であり陽であると漢方医学ではいっている。  これは今の中国では宇宙は帯電したエネルギーで成り立っていると考えているということの証拠なのである。  中国で気を表す文字は、初めは「無」の下に「火」を書いた。  物質世界が出来上がる前にまず先に原始的な気、あるいは純粋なエネルギーが存在していたと考えられていたのである。  いずれにしても道家の哲学体系は自然を注意深く観察することで発展してきた。  精と性エネルギーの作用  道家では、性のエネルギーを精あるいは精髄と呼んだ。  精は気と同じように体内を流れる目には見えないエネルギーであって、男子の精子、女子の卵子の中に蓄えられている。  体内を流れる精は絶え間なく有用な「精髄」に変換されながら全身を潤すとかんがえられていた。         男性の精は女性に比べると、陽に近いエネルギーで、男性の本質を形成する。  男性の能動的性欲の根源である。性欲を強く感じるとき、精の要素が全身に拡がる。  精は新たなエネルギーを呼び覚まし突然体全体にエネルギーが充満し体は情欲の火に包まれる。  女性に接触すると電灯のスイッチを入れたように、精子細胞は振動を開始し、性エネルギー形成され、全身の生命エネルギーへと波及していく。                                 気エネルギー  精、気、神は三宝と呼ばれている。精は油、気は火、神は光にたとえられる。  精を練り気に転換し、さらに気を練って神に転換するというのが伝統的な養生の方法である。  精、気、神にのエネルギーと人間の成長の時期との関係を見てみよう。 1、胎児期のエネルギー   精と気の連合体を父母から受け継ぐ。遺伝子と関係がある。これは天性の生命力である。先天的な精、先天的気である。 2、呼吸のエネルギー   呼吸によって宇宙のエネルギーを吸収する。放鬆あるいは深呼吸によってさらに多くのエネルギーを吸収することができる。後天的気。 3、食物のエネルギー   吸収される量は食物の質と身体の栄養消化吸収能力によって異なる。後天的精。 4、気功時のエネルギー    それぞれの体の細胞から生産され、関連する器官を潤し全身に流れる。   精と気が練られる。 5、心臓のエネルギー   心臓のリズムは脈搏で感じられる。 6、精子(卵子)のエネルギー  これは生まれたときからあるもので、各種の気や、食べ物、空気中から栄養をもらってさらに強化される。  性のエネルギーであり、創造力と思考力のもとでもある。 7、精神のエネルギー   神は光にたとえられ、高度な知覚、分別能力であり、これこそ生命活動そのものである。 8、元気   空間からもらい、また空間に戻っていくもの。原始的な気の働き。  道家の養生の目的は生命力を高め、身体健康で根源的な欲求を満たされた状態にさせることである。  聖人たちは太陽と地球、食物、空気などの天然の気の動きと作用を観察して、人体の気との関係を考察した。  精子を蓄えて気に変え、さらに他の臓器の気と混合することによって、  精神の能力を高めるというのが精と気を練って神に変えるという意味であった。  性は自己を創造するエネルギーであるが、自己を縛るロープでもある。  宇宙に存在する物質やエネルギーによって精神の能力が高まれば自然に、性の束縛や肉体の制限から解脱できると言っている。  体内の細胞と器官はすべて、個別のエネルギーを持っていて、それぞれが意識で必要なエネルギーを吸収できる。  たとえば日光浴で大量にエネルギーを吸収しようとすれば、太陽は強烈な熱量を持っていて火傷をしてしまう。  それに引き換え食べ物からエネルギーを得ようとすれば、消化機能によって内臓器官が食物の気をゆっくりと分解吸収し、容易に体に熱量と栄養を供給できる。  饑餓と性欲の区別  性欲と食欲は共に生理的要求である。性欲が満たされないと食欲で満たそうとして、肥満の原因にもなる。  食物は消化を通じて初めてエネルギーに変わるが、性のエネルギーはそのままで直接ホルモン系統と神経系統に働く。  性的な情念や感覚は絶え間なく大脳に伝わり、心理状態と生理感覚に影響を与えている。  性エネルギーの吸収は食物につぐ栄養源である。このように、性エネルギーは情緒、情感、精神的成長の栄養物であって食物では代用できない。  道家の医者が、1、2週間の性交によって病気を治療できると言ったように、免疫系統を調整して病気を治す薬としての効果もある。  性交中の性エネルギーの吸収は目にみることができないが確実に感じることができる。  中国医学では陰陽のバランスを最も重要視している。性エネルギーもその例外ではない。  精子が陽性のエネルギーが発生しているのにもかかわらず、女性の陰性エネルギーによって平衡を保たないならば、他の方法で補わなければならない。  しかし、双方のエネルギーが充分に高まっていない状態での交換は有効ではない。不一致の原因ともなり、離婚などの破綻に陥ることもある。  性エネルギーは外から補充されるエネルギーではなく体内の精子によって生産されるもので、  蓄えられ需要に応じて使われている。このエネルギーは意識しなくても呼吸と同じように絶えずエネルギーを供給し続けている。  もし精子が消耗すると、自動的に新しい精子がつくられ、いつでも女性の要求に応えられるように準備される。  もちろん独身で子供をつくる意思がなくても、精子は製造される。  ほとんどの精子は子孫を残すためには使われないのに、  人間が食物や呼吸を通じてとりいれた気のエネルギーの25%から40%も精子の生産とその管理に費やしている。  このことは精子を蓄えることが単に子孫を増やすという目的だけではないことを意味している。  この精子のエネルギーを高度な精神的エネルギーに転換して精神の力を高めているといえるのである。それは生物としての進化の根源でもあった。             第三章 神秘的な性生物学  一般には精液の放出が性交の完成と言われてきた。  射精の後に疲労を感じるのは使い果した精子をを早急に補うために精子の生産を急がされるためである。精子は精腺で血液中から原料を得て作られる。  エネルギーを秘めた栄養豊富な精子をつくるには大量の原料が必要なのは当然である。  精子を作るにあたって、血液は体の肺、腎臓、脾から大脳などの臓器から栄養素を精腺に運んでくる。  各臓器が貴重な物質を提供するので一滴の精液には巨大な生命エネルギーが含まれるのである。  絶え間ない精液の消耗は栄養供給システムの枯渇を招き、ひいては老衰を早める結果になる。この循環を断ち切るところから第一歩は始まる。  人の一生中の精液の量  米国人男性の一生の射精回数は約五千回。  放出量は約16リッターという。キンゼイ報告によると二十代では週3から4回。三十代では2から3回。四十、五十代では1、2回となっている。  現在では性の解放と避妊具の発達によって更に回数は増加している。  一回の射精によって放出された精液中には二億から五億個の精細胞が含まれている。  体内に備わっている原子能  一回の射精で放出された精細胞が同じ数の卵子と結合し誕生するとそれだけで米国の人口をはるかに越えてしまう。  五千回では一兆人の命を作り出すことができる。それは現在の地球人口の二百倍に匹敵する。男子一生の精子能力を雄弁に物語っている。  西洋の科学者は精液が物質にすぎないと嘲笑することもできる。しかし、精子のなかには不思議な力が隠されていることはだれにも否定できない。  また西洋の科学者は精液の持つ特殊なエネルギーについて信じることができないかも知れない。しかし精子に秘めの生命の神秘は否定できない。  これを体内に蓄積してエネルギーに転化することで大きな能力を得ることができると道家は考えるのである。  人によっても種族によってもこのエネルギーの状態はそれぞれ異なる。  一部は体力の維持に使われ、病気に対する抵抗力に、また一部は精神に働き、寿命を延ばすためにも使われる。  多くの科学者が射精のない性交は不可能だと考えているようだが、道家では大脳の訓練をとおして実現してきた。  生殖ホルモンの生理作用  一個の精子には23対の染色体と酵素、イオン、微量元素と生命に関係するその他の基本部分を含んでいる。  卵細胞と母親の栄養とで、生命を誕生させることができるゆえんである。  精液嚢は膀胱の下部の左右に付着している器官で、輸精管に接続して精子を収集する。  精液嚢内部で精子に栄養を与える糖などを含むアルカリ性の液体を作り精子に混ぜ合わせる。  前列腺は射精の前に精子の前進を助ける液体を放出する。  尿道球腺からはアルカリ性の液体が滲出して尿道に残っている尿の酸を中和する。  このように精子の保全のために自然の配剤ができあがっている。  西洋医学では過度の射精は性ホルモンが失われるため精力減退、記憶力の低下が起こると説明している。  睾丸は精子を造るほかに、生殖ホルモンを分泌する。射精をしなければこのホルモンは血液中に入り、体内の部位に到達する。  事実頻繁な射精は生命力の低下を招き、視力が減退し頭髪がぬけ老化を早める。  ホルモンと老化の関係についてはまだよく分かっていないが、脳下垂体、甲状腺、生殖腺が深くかかわっているのではないかと考えられている。  適度な性生活は性交の刺激による性ホルモンの増産により、老化防止に役立つ。  またほかの分泌腺を刺激するため全身のホルモンの失調を改善しバランスを調整することができる。  性ホルモンの均衡は、快楽と幸福をもたらし、男女の仲もよくなる。性ホルモンが体内を循環するときには快楽がある。  性ホルモンには大脳に男女の差を記憶させていく働きもある。もし男性なら男性ホルモンが大脳の一つ一つの細胞に男性の痕跡をうえつける。  道家は、鍵は均衡にあると主張する。  男性エネルギーと女性エネルギーが体内で均衡を保つとき細胞は充分にその能力を発揮し、ホルモンも正常に作用する。  男性のホルモンの体系の中で最も重要なのは、睾丸と眉間にある脳下垂体の関係である。  実際、性エネルギーを養う過程では睾丸と脳下垂体とは同時に振動しながら分泌している。  性生活はまた健康に有益で、脂肪を消耗させ、食欲を抑え、肥満の治療になる。心臓の機能も安定し、性による治療も可能である。  性交は自然の解毒剤とも言える。現代の生活の中で、感情の圧迫は時として重大な損害を体に与える。動脈硬化は緊張が続くと起こる。  結婚して夫婦が共に安定した調和した生活をして、陰陽の均衡が保たれれば、これらの改善に貢献できるのである。  道家の培養方法ではエネルギーを内分泌腺に集中させ、有効なホルモンを造りだし、体内を循環させる。  自然界の性と死  「動物は子孫を残すと、死んでしまう。植物は新しい種子を残すと枯れてしまう。」  かげろうの一生をみると、交尾の相手を探して飛び回ったあげく、受精が終わると数日たらずで死んでしまう。  植物もまた、成長を続けながら性のエネルギーを蓄え、種子を結ぶ。  ある種の雄の昆虫は精子を相手に与えなければ生き長らえるが、受精させると死んでしまう。  昆虫は生存する全動物の重量比では半分以上を占め、生命力は強く種類もずば抜けて多い。  種族保存のために、多くの犠牲を払う。生殖行為でほとんどエネルギーを使い果たす。  人間は生殖のための生命エネルギーを、他のものに変換させて使うことができる。  雄の射精はゆっくりとした死への道程である。この性のエネルギーを生殖にも生命の向上にも使わなければ、  生命エネルギーをむだに殺しているのと変わりない。  道家では言う、男性はこの2千年間というもの、精子のエネルギーを無駄に消耗し続けたため、精神が衰弱状態になっていると。               第四章 性的節制  男性には女性が、女性には男性が必要である。 もし、性交が単独の行為であると考える人がいたら、長寿はおろか、健康を保つことも難しい。                                      千金要方  男性は百万ドルにも値する生命エネルギーを持って生まれてきた。  これを一生の間に使うのである。若いときは、このエネルギーが枯渇することのない無限のものと考えてどんどん使う。  金銭の観点から考えて見よう。世の中には稼ぐより使う金の方が多い人もいる。  カード、月賦などで簡単に金を借りられるようになると往々にして債務地獄に陥り、もし返済に失敗すれば破産ということにもなりかねない。  生命エネルギーの消費の面でも不良習慣が続くと同様なことがに起こり、人生は暗くなりついには病気や死に見舞われる。  毎日の呼吸、飲食、休養で100単位の生命エネルギーを獲得できるとしよう。  しかし、たばこ、酒、精神的ストレス、疲労、あるいは過度の性交による精液の喪失などによって125単位の生命エネルギーを1日に使ってしまうならば、  差の25単位のエネルギーどうやって補うのか。大脳を初め各臓器に蓄えられている持って生まれた生命エネルギーが当てられる。  反対に悪習慣をただし、工夫して毎日125単位のエネルギーを獲得し、100単位だけを使い、  差の25単位を蓄えていくという生活に変えるならばおのずと健康が保持できるのである。 実際に周りを見てみよう。  休みも返上の勢いで、朝から夜までびっしり仕事をし、煙草、コーヒ−を離さず、仕事が終わったら2、3杯の酒を飲んで、腹一杯の夕食を食べる。  夜は睡眠時間を惜しんで、精液をたっぷり放出する性生活を繰り返していれば、当然生命エネルギーの貯蓄は急速に減っていく。  そのまま続けていくと朝目覚めたとき疲労を訴えるようになり、長い間には関節炎やガン体質になり、ある朝ついに永遠に目覚めることがなくなってしまう。  とりわけ頻繁な精液の消耗は、生命の精髄を使い果たし、早死にするばかりか、病苦にいためつけられるのである。  まず、質素な生活につとめることだ。  かつての道家の修行者は深山幽谷に逃れたが、要はどこにいようと道理を守ってさえいればいいのである。  宇宙は気前よく、万遍なくエネルギーを与え続けている。  アメリカでは、健康の重要性に気がついて、多くの人々が、研究し、健康法を実践している。  浪費してしまった生命エネルギーも、ゆっくり時間をかけて取り戻すことができる。  若いときは無限のごとく感じる生命エネルギーも、無茶をすればすぐに枯渇する。  歳をとると一見元気そうでも、検査をすればあちこち痛んでいる。若いときの無理が災いしているのである。  「きのうまであんなに元気にしていたのにどうして」とよく言われるように、意思の力で体を維持していてもあっけないものだ。  性の節制がこのような悲劇から守ってくれる。  性の挫折が原因                 青年たちの多くは、他のどんなことよりも性に対しての関心が高い。  男性は精子を生産しているために、精子のエネルギーが引き金となって強烈な衝動がおこるのである。  それに反し、女性のエネルギーは毎月決まってくる生理に平均化されるためこのような体験は想像できない。  男性の性エネルギーの高揚は、宇宙に存在する陽エネルギーによる自然の現象である。  高まった陽エネルギーをうけいれる女性に遭遇するとさらにたかまり、むかしからロマンチックの恋愛が生まれた。愛の成熟は精神の向上をもたらす。  しかし、物質中心の世界では肉体のみが強調され、精神的満足はかえりみられず、肉体的快楽を強く求めるようになる。  こういった肉体の追及だけでは性は満足されることはなく、青年はますます性の欲求にかられ、性的に狂暴になりとどまるところを知らない。  手淫や乱交などに走り、おしげもなく精液は射出され、本来精神を滋養するはずの性エネルギーが、精子とともに消耗する。  成長に影響するほど性エネルギーを喪失した青年は虚無感に陥るのである。   性と傑出した拳闘家  スポーツ試合前日の夜の性交は闘争力を損なうので、勝つチャンスはなくなるのが道理である。  しかし、試合前に性行為をする方が有益であると宣言する運動家もいる。これは、試合前の緊張が強くて、気持ちの調和を失っている場合には、  緊張をほぐすのに射精が役立つと言うことである。  偉大な拳闘家アリは大事な試合の前、1年間にわたって禁欲したと言われている。それが彼を勝利に導いた秘密の一つである。  このように、性交によって精液とともに闘争力が損なわれることはまぎれもない事実であるが、  道家の性エネルギー培養の方法で性交すれば、精液を放出せずに女性の持つ陰のエネルギーを吸収して更に生命力を高めることができる。  通常の射精を伴った性交による満足とは異なる、生気が充満してバッテリーに電気が充電されたような充実感を得ることができる。  この培養方法は今日まで厳格に秘密を守ってきたのである。今日この秘密を活用することは運動家にとって極めて有効なことである。  古代道教では性愛を治療の手段として、身体、情緒、心理の安定に活用してきた。  長い経験の積み重ねによって性エネルギーのメカニズムを人生に生かす方法を発見したのである。  また、道教の道士は好戦的で、剣術、太極拳などの練習にはげんできた。その極意は身体の訓練に高度な自我意識を結合させることであった。  性:許諾と婚姻  婚姻という問題はなかなかむずかしい。結婚した方が良い場合もあり、しない方が良い場合もあるのである。  結婚したら誰でもが良い結果になるとは限らない。ある男が結婚して幸せに人生を送っても、兄弟たちから見れば苦労しているように見えることもある。  高尚な男の独身主義をつらぬくということがいいことであるとは道家では考えていなかった。  もしそうなると子孫は衰退してしまうのである。  しかし、結婚して子供を育てていくには、時間と精力を大量に消耗するもので、周囲の圧力あるいは父母などの願望に従って軽率に結婚すべきでない。  結婚にあたっては、自分の心に従うべきであって、そうでないと後に夫としての責任が重くのしかかったとき悩みが生じる。  多くの男性が自分自身の心の不安定をいやすために結婚する。  自分を理解してくれる女性を探し安心しようと試みるが、この心の不安定は実は男性の性の不安定に起因するものなのである。  だからもしまだ結婚していないなら結婚前に自己の性能力を高め性の安定をはかる方法を習得することを勧める。  しかし、性の安定を得るのには一日にしてはできない。  結婚して子供ができる前に性エネルギーの培養ができれば問題は起こらないのだが、大多数は性生活において相手の愛を吸収して満足しようとする。  この関係は嫉妬や罪悪感をもたらし、時間がたつうちに生活に疲れてくる。  この原因は、性愛のとき精液を漏らし続け、ついには陽性のエネルギーが消耗してしまうためである。性愛の風化に別の原因はないのである。  生命力も衰え、性愛によって強められるはずの絆も細くなってしまう。  陰陽のエネルギーの極性の消耗によって、お互いの吸引力は弱く冷淡になり嫌悪感まで生まれる。危機である。  離れて暮らしてくると、収まったりすることからもわかるように、男女体内の陰陽の極性が充電されると愛も生じるのである。  男女2人で行う培養法を行なえば、以上の悩みも解決できる。  精液を放出させず蓄えて男女の持つ陰陽のエネルギーを充電し精神を滋養しあうものであるから、枯渇することのない幸福感をもたらす。  結婚している男性より、結婚していない男性の方が純潔であるとか高尚であるとかは道家では言わない。  結婚していてもいなくても、平等に訓練の機会があり、(一人で培養することも、男女二人で培養することもできる)  日常の訓練いかんによって決まるものである。  自身の体内にそなわっている無限の快楽とエネルギーに気がつきさえすれば、  それを培養して活力に変え日常の生活は楽しく充実し満足できるものとなる。  こういう訳で、女性にたいする魅力のあるなしも男性自身の体内からくるのである。  宇宙の陰陽のエネルギーの結合、調和のために女性との婚姻があるのである。  喪失精液の道徳的影響  繁殖力の強弱は体質の強弱でもある。道家の方法は体質の強化に役立つ。  射精による損失は肉体面ばかりでなく心理、感情面にも大きな影響がある。ホルモンが精液とともに排出され精神が不安定になってしまう。  強姦したあと容易に殺害してしまった例があるように、射精後は感情が不安定になりやすく、犯罪を犯しやすくなる。  性愛によって性エネルギーの交換が行われると、生命体同志の関係が見えてくる。  宇宙のエネルギーを分けあって生きている、われわれがどう生きたらいいのかということが見えてくるのである。  共通のエネルギーを交換しあうことで個人をこえた愛が芽生える。  長期にわたる性が健康に対して有益かどうかの論争  妊娠中の女性にも性欲があり、子孫を作る以外にも人類は性行為を行う。  思春期になると性行為を開始し、一生の間に相当長い時間を性行為に費やす。  性行為が健康に有益であるか否かについて、健康と体力の回復になると賞賛されている一方、過度の性行為は健康をそこなうと警告している。  道家の答えはこうである。精子を喪失しない、愛情のある性行為は極めて健康に良い。  人生のある時期に健康を回復するために、あるいは精神的な高揚のためには独身が最上である。  独身は自己のエネルギーを蓄積しながら自由にしごともできる。  しかし西洋の流儀では男女は結婚して一緒に性欲を満足するのが自然であると勧める。  道家では、一人でも男女一緒でもどちらも性エネルギーを蓄えることができるという。  つまりどういう生活の形態であっても性エネルギー培養することが可能だと道家は考えている。  まず性欲の来源を理解してから、性に集中する。性のエネルギーと「道」のもつエネルギーとは一致すると道家はいう。               第5章 性の神秘伝説  性エネルギーが精神の成長に関与し、宗教的覚醒と歓喜の源であることが発見されると、多くの宗教の修行の方法に取り入れた。  それは、宗教が信徒の性生活に規制をしていることでわかる。禁欲や姦婬の禁止であったり、結婚の形態であったりするのであるが、  実際は、宗教の強制力より性欲の方がはるかに強く、信徒たちは反抗し最終的にはこの規制は敗北する。  当初は精神の高揚のために性を利用していたのだが、儀式を重んじる中で本来の観点は薄れてきた。  *買春が最古の職業と言われていることからわかるように、性欲は生活上でも利用されてきたわけである。    道教は他の宗教とは異なり、組織をもった宗教ではなく、一種の精神哲学であるといえる。  道士は自分自身のエネルギーを培う修行によって高い精神的次元に達するのである。  霊魂を研いて完全な知性をかちとることが信仰の根本であった。  道教の先人たちは中国の五大聖山でそれぞれの派を築いた。  ある派は一人で身体内の微妙なエネルギーを培養することをめざしし、女性との交渉を禁じた。  しかし、それは少数で多くの道士は男女双方の陰陽の気を交流させながら培養する方法を採用した。この方法は健康と精神の発達に効果があった。  道教とタントラ  インド、チベットに由来するヨガの一種であるタントラは、陰陽の調和をめざす点では道教の原則と同じである。  タントラは性的な欲望を高めて、瞑想のエネルギーとして活用し、高次元の意識を形成する。  それは無の境地と純潔の快楽をもたらすと西洋で紹介されている。  精子の重要性についてタントラではこう説明している。 「精神の中心で錬成した精液は人体に意識の充満をもたらす。いずれの方法にしろ精液の喪失は顔色が悪くなり寿命をちぢめるのである。  *クンダリヨガ中の精液の喪失は仏に対するぼうとくである」 「開始後、強烈な欲望は精子のエネルギーを脊椎に沿って上昇させる。」  精液の運行の過程は道家と同じであるが、道家はエネルギーの来源を神霊とは考えない。  タントラはラマ教、インド教の神霊を信仰する人々の中で伝えられてきたが、儀式や教義に埋没せず、今日まで伝えられてきた。  道家は宇宙の自然から学んでいた。天体の運行や植物と動物の生と死を観察し、天気の人体の新陳代謝への影響、  季節と人体の微妙なエネルギーとの関係を研究した。自然界のエネルギーの均衡が人体内で同様に調和していることを発見した。  宗教観念や装飾に惑わされない「道」という視野で考えてきたのである。  *この世界は木、火、土、金、水の5つの要素で構成され、春夏秋冬の四季変化といった自然現象の中に真理がある。  道教の道士は「陰の空間に何もないとき、豊満な陽を受け入れられる。」と説く。男女、精神と物質、天空と大地の結合の理である。     別の性交方法  カライザは性愛の技巧の一種で、イランの起源である。  静かに横になって1時間から数時間に渡って、射精せず陰陽のエネルギーが出てくるのを待つ。  長くゆっくりとした快楽を満喫するが、最高潮は起きず、精交のときエネルギーを温存するという比較的初級のやり方である。  性のエネルギーを上昇させず、生命力にも変化しない、これは明らかに道家の方法とは異なる。運動を押さえ生殖器の興奮は起こさない。  道家では健康に有益な運動は不可欠だという。  カライザは性交時間の延長によってもたさられる快楽に満足する。皇帝や貴族の長い夜を過ごす助けにはなったが、  生殖器に蓄えられた熱量の行くところがないため、前立腺に負担がかかり、健康上は勧めることはできない。  急速に射精に至り、精を消耗する精交よりは進歩した方法だが、精を精神の栄養にできない点でまだまだ不完全である。             第六章 睾丸(こうがん)の運動       骨盤能力訓練  もし性交して、射精をせず精液をもらさなければ、生命の精が増強される。  二度このようにすれば、耳と目が良くなり、三度目には、生理上の病いは消失する。  四度目、心身が安定する。五度目、体内の血液が力強く循環する。六度目、生殖器は新しい活力を獲得する。  七度目、足腰が強くなり、九度目、寿命が延長される。             唐朝皇帝所集「道家知恵準則」   戦場で、身の危険を感じて銃を抜いて撃ったが弾が出ない。  名手ならそういうときにも超人的な方法を探して困難を切り抜けることができるだろう。  しかし、この銃が陰茎であって、勃起できないとなると切り抜ける方法を探すのはむずかしく、惨敗と言うことになる。  長期にわたって勃起できないと、インポテンツであり、男性の苦痛の代名詞である。  インポテンツまで行かなくとも、見るからに精力のない青年が多く見受けられる。この章では精力を高める二種類の絶妙な練習方法を紹介する。  *重要なことは、なによりも精液を漏らさず保存することで、これなくして長寿は語れない。  精液の消耗は性的不能と衰退の原因だけでなく老化を早める。  具体的には、骨盤内の尿生殖筋と肛門の環状筋肉などを鍛えることにより、まず陰茎の勃起をコントロールする力を増強し、  性交中に射精を抑制が可能となり、精を消耗させず、蓄積できるようになるのである。  骨盤内の按摩効果と性的刺激によってさらに精を作り出し睾丸内に蓄えさせる。  男としての健康の源である生殖器官の周囲の筋肉網は、性交以外では鍛えるチャンスがほとんどない。  *神経末梢と静脈血管が集中し、生命に関係する器官の主要な経絡はみな骨盤内を通っている。  もしこの場所が塞がったり、筋肉に力がないと貴重な生命のエネルギーは漏れていってしまう。  その結果は活力の低下をきたし、内臓器官だけでなくそれを司る大脳の能力も弱まり、無力になってくる。   骨盤と尿生殖膈  人体には膈膜が3つある。横隔膜と骨盤隔膜と尿生殖膈膜である。  横隔膜は肺と下部の内臓とをへだてていて息を吸うとき胸を拡げる働きをする。  性功夫を練習するためには横隔膜だけではなく骨盤膈膜をも使って、真の深呼吸を行うのである。  骨盤膈膜は会陰部と骨盤部を隔ている。骨盤内にあって内臓を下から支える筋肉の膜である。  前面の恥骨と、後面の仙骨を結ぶ平面上に漏斗状に中央がへこんで垂れ下がるようにして存在する。  尿道、窒、直腸などを支えている形になっている。骨盤膈膜を引き上げる運動は内臓を刺激しマッサージ効果があり器官の発育を促進する。  *骨盤隔膜の下、会陰部(肛門と生殖器官の中間点)にもう一つの隔膜がある。これを尿生殖隔膜と言う。  尿道が貫通していて、前立腺、輸精管、陰茎、肛門などを支えている。底部は陰茎の起点に接し陰嚢と陰茎に繋がっている。  陰茎内の陰部神経が尿生殖隔膜の筋肉を動かす。  この二つの隔膜は人体の精気が下からもれないように守っているのである。  強く閉めると腹部内部の気体圧力は増強し内臓器官の気の生産を助け、また気血の運行を盛んにさせる。  道家の功法を実践すると、この部分の重要性がよくわかる。  *陰嚢を引上げ精液を汲む  古代道家は経験を積み重ねる中で精液のエネルギーは生命体にとっては最も大切なものであると確信した。  睾丸は精子だけでなくホルモンと精気を休むことなく作り続けている生命力の精髄であることは科学者も否定できない。  道家ではまた睾丸を包んでいる陰嚢の膜は陰嚢内の液体の汲み上げポンプの役目をしていると考える。  睡眠の後の体力快復期には陰嚢はちぢこままっているが、疲れるとゆるんで膨らむ。  精力が高まるとすぐちぢこまる性質がある。また、若いときは縮んでいるが歳をとるにしたがってゆるんでくる。  陰嚢内には精と一緒に大量の陰の気(冷性の生命エネルギー)を貯蔵していると考えられる。  この陰の気は通常は低温の液体で休眠状態にある。実際、睾丸を冷やすと精子の製造量が増えることが確認されている。  (陰陽の観点から言うと河水、湖水、海水など水の属性は陰であり、精液もまた液体であるから陰である。)  この陰性の液体は、精子が十分に作られてたまり、睾丸が体温より低い温度にたもたれているときは濃度が高く凝縮している。  性の刺激を受けると、素早く冷却状態から暖かく流れる陽の状態に変わり、睾丸から輸精管、体内に移動する。  ゆっくり移動して上昇して最終的には脳に向かう。  もし、あらかじめ通り道がとおっているなら、脳に到達しやすい。  その道筋は脊髄に沿って頭部へ向かい、頭部から体の前部をへそまで下がり、生殖器と会陰に繋がる。  この道筋は大脳とホルモンの分泌腺とを繋ぐ通り道でもある。  次の睾丸呼吸練習はこの通り道を開発する助けとなる。  睾丸呼吸練習では、意識的に青春の活力である陰の気を高め、脊髄を上昇させ頭部へ導く練習をする。  脊髄の中には脳脊髄液が満たされている。脊髄液は頭蓋骨のなかで脳の周囲を浸している脳液と同じもので脳から尾骨まで循環しているのである。  睾丸呼吸の練習中にこの脊髄液の中を気泡が脳へ上昇していくのを実感できる。  その次の陰嚢圧縮練習では陰嚢の膜のポンプ効果で、温度の高まった生命エネルギーを上昇させる。  鎖精法は性刺激を受け、陰の気が熱を帯びて高まってきたときのコントロールの方法で野生の馬を馴らすのに似ている。  初めから、パートナーと性愛をしながら練習するのではなく、まずは一人でで練習することを勧める。  横になって寝る姿勢  横になって休むとき右を下に横たわり、左手は左脚の上にのせ、右脚を真っ直ぐにしてその上に左脚を膝を曲げてのせる。  体は背骨を自然に曲げ、骨髄に圧力が掛からないようにする。右耳を枕などで塞がらないようにする。  こういう姿勢は陰嚢に負担のかからない姿勢で、ライオンが寝ているときの姿勢に似ている。  動物は自然に理にかなった姿勢を体得しているものだ。               睾丸呼吸入門 睾丸呼吸入門 1、姿勢 ゆったりしたパンツ1枚になるか、またはパンツははかず、下半身を露出する。(女性は陰性なので、パンツは脱がないで行なう)   ただし、寒い部屋の場合は気が逃げてしまうので、毛布で覆うなどして裸にはならないこと。   浅く椅子に腰掛ける。上半身を真っ直ぐにして、両足を平行に床につけ、肩幅と同じに開く。   体の力を抜いて、全体をゆるめる。もし緊張があるなら屈伸したり散歩をして気持ちもほぐしてから行うとよい。   まず睾丸つけねの陰茎の中心に意識を集中させる。下半身を露出させていると空気が循環して陰部を意識しやすい。   冷たいものを感じたらそれが陰の気(冷性の生命エネルギー)である。 2、ゆっくりと静かに息を吸いながら、睾丸を引き上げるように意識する。   息を吸い込んだら、少しの間止めて、ゆっくり息を吐きながら、睾丸を下げるように意識する。   息を吸うときは、下の方から空気を睾丸に吸い込むように意識しながら、気を体の中心に導くように、睾丸を引き上げる。   睾丸を下げるときは、体内の廃気を吐き出すように意識する。睾丸は意識で上下させ、陰茎、肛門の筋肉は動かさないこと。   ゆっくり静かに呼吸して陰嚢に陰の気(冷性の生命エネルギー)を感じるようにする。   次第にエネルギーが発生し骨盤内の血液循環が促進される。9回繰り返すごとに、休み、これを3回から6回行う。   1、2週間の練習で実際に睾丸の上下運動を見ることができる。それは呼吸が正しく行われている結果である。   さらに睾丸の下部がゆっくり動き、鏡に写すとなかなおもしろい光景が見られる。   呼吸は、吸入量の調整がしやすく、刺激の少ない鼻呼吸でする。   緊張せず、必ず体をゆるめて行う。深い瞑想の中で、ただ意識で睾丸を引き上げ、ゆるめる。   練習が進むと陰嚢内の陰の気(冷性の生命エネルギー)を実感できるようになる。 3、息を吸って、しばらく息を止めるときに、   陰の気(冷性の生命エネルギー)を陰嚢から会陰(肛門と生殖器の付け根の中間点)へ意識で導く、   同時に冷たいものが会陰に流れていくのを感じる。息を吐きながらも続けて会陰に意識を集中させ、   陰の気が陰嚢へ戻ったり、もれてしまわないようにする。ストローでコップの飲み物を吸うのと同じで、ゆるめると飲み物はコップに戻ってしまう。   2、3日の練習で会陰を意識し続けると、会陰にエネルギーを保持できるようになる。 4、睾丸でたまっている陰の気が、会陰に移動した後、   さらに息を吸いながら尾骨に向かい仙骨裂孔(尾骨に接して仙骨の後ろの先端にある。)まで、尾骨の外側、臀部の曲線に沿って導く。   このとき軽く首の後ろと後頭部に力をいれると、この動きの助けになる。   仙骨に陰の気がきたところで、息を吐きながら、仙骨を意識し続け、エネルギーを仙骨に保持する。   尾骨から首までを弛緩させ、脳と仙骨を繋いでいる脊髄液を意識して、さらに睾丸呼吸を続け、再度仙骨へエネルギーを導く。   すると仙骨が開く感覚と共にとどまっていたエネルギーは、上昇を始める。   もし上昇感覚がおきない場合は仙骨を前後にゆすってから静かに様子をみる。   このエネルギーは濃度が高いので、押し出してやる必要がある。   仙骨の両側に鋸の歯の形のところがあってそこがポンプの役割を担う。   仙骨裂孔にが入っていくとき往々にして、針で刺すような痛みや刺激痛があるが、心配はいらない。   めんどうでなければ、タオルで尾骨をマッサージしてエネルギーの上昇を助けるようにしても良い。 5、冷性のエネルギーがすでに仙骨まで到達したら、次の1週間は胸椎11番(1番下の肋骨の付け根)まで吸い上げる練習をする。   副腎皮質ホルモンを分泌している副腎のある腎臓の上端にあたり、道家ではポンプの作用があるところとされている。   胸椎11番までエネルギーが上昇してきた充実感があったら、後ろに体を反って、背骨をさらに真っ直ぐに伸ばし、エネルギーの上昇を促す。   ポンプで押し上げるように意識して背骨の中の脊髄内をのぼっていく。 6、次のポイントは玉枕と呼ばれる、後頭部の第1頸椎(首の骨の一番上の骨)と頭蓋骨の間である。   そこでも、時間をかけて通りをよくするよう練習を重ねる。 7、さらに、百会(頭の頂上に当たる。耳の延長上の左右の中心点)が通りにくい関門である。   百会に到達した後、大脳に入っていく。 8、エネルギーが最後に脳へ入ると頭内部で右回りに回転する。   もし数えられれば36回まわす。こうすると心機一転、健康を実感する。記憶力が増す。   性欲をコントロールするスタートの段階に立ったのである。   道家では性のエネルギーと脳の関係が密接であると説いている。   老化してくると脳と脊髄のエネルギーが枯渇して空洞状態に陥るが、   この性のエネルギーが頭部に上昇すると、回復できると。 9、こうしてストローで吸い上げるように、背中にある通り道を睾丸中のエネルギーが上昇し、頭部が吸収する。   この道は背骨にある経絡(気の通り道)である督脈である。   練習によって通りは良くなり、ついには睾丸と頭頂に意識を集中させるだけで、   性のエネルギーを睾丸から大脳へ到達させることができるようになる。。 10、冷性のエネルギーは温度が上昇してししまうと大脳の中に安定してとどめておくことは出来なくなってしまうため、    焦らずゆっくりと、冷性を感じながら練習する。、ポンプが働くように注意を払い、脳の力で導くようにして体力は余り使わない。  金色の玉液  頭部に陰の気が充満したとき、その余剰のエネルギーは細い気の通り道を伝わって、身体の前面をおりていく。  額から顔の中心を舌の先まで流れたとき、蜂蜜や椰子などの味を感じる。  これを金色の玉液と呼び、人によって様々な味が生じる。舌に刺すようなちくちくした痛みが現れることもある。  この睾丸呼吸練習は、背筋を伸ばし、胸をゆるめ、陰嚢を圧迫していなければ、自動車のなかでも、テレビの前でも場所は選ばない。  次第に骨盤隔膜が鍛えられ、自由に動かせるようになる。腹部全体のマッサージ効果があり、さらにはホルモンの働きが向上、生命力が高まる。  空気を圧縮して陰嚢へ、性能力強化  睾丸呼吸と一緒に、陰嚢圧縮練習をあわせて練習する。  空気中のエネルギーを吸収して骨盤に導きくことができ、精気を増強する効果がある。。  座るか立って行うのが好ましい。  空気を飲み込むように吸い、腹筋の波のようなゆっくりした収縮運動を行ない空気のボールを下腹部まで送り、圧縮して睾丸に送りこむ、。  空気が睾丸に圧縮されると睾丸内で熱エネルギーが生じ、膨張して脊髄を上昇、頭部に上がっていく。。               陰嚢圧縮訓練入門  陰嚢圧縮訓練入門 1、椅子に浅く腰掛け、両足を床に平行につけ、肩幅に開く。   ゆるいパンツ一枚になるか、全部ぬいで下半身を露出して、睾丸の動きを自由にする。 2、鼻で呼吸し、息を吸って下腹まで空気を送り、呼吸を止め、   心臓部と臍部に大きな一体となった空気のボールのがあるように意識する。上腹部がふくらんでいる。 3、呼吸をとめたまま、その空気の塊を臍のあたりまで転がしていく。   臍部がふくらむ。続いて骨盤にさげ下腹部がふくらむ。そこから圧縮して睾丸におしこむように意識する。 4、以上の行程はできるだけ時間をかけておこなう。   初めは30秒くらいでもいいが、徐々に1分くらいかけて圧縮できるようにしていく。   この間、肛門括約筋と会陰筋を引き締めて、エネルギーが漏れないようにする。 5、完全に圧縮されたところで呼吸を再会し、全身を弛緩。   圧縮中にたまった唾液は呼吸前再会する前に飲み込んでおく。 6、その後、短い呼吸で酸素をとりいれ、息を整える。   続いて、素早く鼻から息を吸って、次の圧縮の準備に入る。   このとき呼吸は音をたてず大量に空気を吸わないこと。  この練習はエネルギーを補充する効果があるので、元気のないときにおこなうと効果がある。  そのときの方法は、陰嚢圧縮を一回やった後、すぐに両手を肩の高さまで上げながら、腰をひねる。  一休みして2回目の陰嚢圧縮をおこなう。  5回繰り返す。このとき、舌の先は上の歯の付け根につけることを忘れないこと。  一回圧縮するごとに睾丸にエネルギーが与えられる。  体力増強のためには、連続して5回圧縮を行なった後、腰部をねじって止める。  そうしてから次の5回の圧縮を行う。圧縮と圧縮の間の呼吸は短く早くしす。  上半身が完全に停止しないうちに続けて行なう。 (図6)  1、鼻で吸って喉まで。  2、腹部の神経叢まで飲み込む。  3、空気の固まりをへそに転がす。  4、骨盤まで下げる。  5、陰嚢内に圧縮する。  毎日朝と晩に15分づつ、睾丸呼吸と陰嚢圧縮練習をする。  精力を高め、性的能力を増強するだけでなく、呼吸がよくコントロールされ不眠症、精神過敏症などの根本治療ともなる。  精力が欠乏して起こる症状には効果がある。  1ヵ月以上射精せずにいてから練習を始めれば、早い時期に睾丸が発熱し、飛び跳ねるような感じや、かゆいような感じが起こる。  これらは精力が蓄積されてきた一つの現れである。ただし、練習が正しく行なわれればの話である。  1、2か月の練習で、明瞭な効果が現れる。  排気法で高血圧を治療する。  陰嚢圧縮練習を半月から1か月で、高血圧の持病がある人では大脳に緊張を感じることがある。  高血圧の場合は、命門穴(背中の第3腰椎、へその丁度裏側に当たる)湧泉穴(足の裏の中央より3分の1指先に近い窪み)から  余剰の血圧を排出する方法を練習する。  ヘソの位置から背中に線をひいて正確に命門を意識する。気の流れが命門に達したとき再び脊髄を下降させ湧泉へと導く。  このようにして、多すぎる気を体外に排出させる。  その結果高血圧も改善される。  鎖精法によって精液を封する   鎖精法は一人で毎日練習を重ねていき、習得後性交時にこれを行うことができる。  性交時に行なうのは大抽動と呼ばれる。  睾丸呼吸では、睾丸で作られる冷性のエネルギーを陰嚢から大脳へ上昇させたあと、体内に運行させる。  陰嚢圧縮では、心臓、肺、脾臓などで生まれた気の流れを下腹部へ下降させ、陰嚢内の冷性のエネルギーと混合し、上昇、循環させる。  鎖精法では性器官に働きかけて、精液内の冷性のエネルギーを熱エネルギーに変える。  この陽性に変わったエネルギーは暴れ馬のようにぎょしがたく、いつも冷性の環境中へと最短距離を走りたがる。  この激しいエネルギーを訓練した周辺の筋肉を使って上昇させ、神経中枢に導くのである。              鎖精法 *  鎖精法の4段階 1、開始段階 拳を握り締め、顎、首、脚、会陰、臀部、腹筋に緊張を移し、射精の衝動をおさえながら、湧いてきた熱い精気のエネルギーを上昇させる。 2、中間段階 拳、顎、脚などの筋肉から、骨盤隔膜、括約筋、仙骨と頭蓋骨の伸縮に比重をうつして、エネルギーの向上を促す。 3、上昇段階 会陰筋肉から、仙骨、頭蓋骨の吸引力を増して、精気を脳に上昇させる。特に脳の上部へ引き上げるように意識する。 4、最終段階 筋肉を使わず、意識だけで陰茎をコントロールする。意識、意念で精気を上昇、下降させ、陰茎を勃起、弛緩させる。  立って行なう場合の要領  両足を開いて立って、膝を曲げて腰を落とす。  両手は握って骨盤の前、左右の股関節のところににあてる。  1、舌を上顎の内側に押し付ける。  2、息を吐きながら歯をくいしばる。  3、目は上の方か、右の方へ寄せる。  4、首に力を入れる。  5、頭頂。  6、手を堅く握る。  7、陰茎をりきむ。  8、尾低骨の周囲を緊張させる。  9、会陰をりきむ。  10、足の指を踏ん張る。  11、精気を陰茎中に出ていかないように意識し、頭頂へ導き、更に陰茎まで下がったら完了する。(図7)  練習中陰茎に対する刺激は射精に至る刺激の90%とする。  もし越えてしまったなら、精子がない状態で練習を続ける。  鎖精法を掌握すると、射精が近付くのがはっきり分かり、98%、99%の興奮状態で射精を停止させておくことができる。  一旦興奮状態になり、3〜9回、鎖精法を繰り返すと、勃起はゆるむ。  また陰茎を刺激勃起させ、鎖精法を行うと陰茎がゆるむ。これを繰り返す。  この練習に熟練すると、性交中に完全に生殖器官のコントロールできるようになる。  ヨガ、瞑想の体験者はとても早くマスターできるが、更に強い操縦力を身につけるため、1万回練習計画をたてることを勧める。  練習前に屈伸動作、間接運動などで、体力をつけることも望ましい。              鎖精法入門  *鎖精法入門 1、座り方は睾丸呼吸と同じ、椅子に浅く腰掛け、両足を床に平行につけ、肩幅に開く。   ゆるいパンツ一枚になるか、全部ぬいで下半身を露出して、睾丸の動きを自由にする。   陰茎を刺激し勃起させる。陰茎と陰嚢内の精液の表面に意識を集中。 2、高まって来たら、鼻で一回深呼吸し、両手、こぶしを堅く握り、   真空ポンプで吸いつくようにして足を床に密着させ、足の指を踏ん張る。   舌を上顎の内側に押し付け、歯をくいしばりながら首の後ろの頸椎を締めるように力を入れる。   もう一度空気を吸いながら生殖器全体を引き上げる。注意力を会陰、尿生殖隔膜、特にに陰茎に集中させる。   陰茎をりきみ、尾低骨の周囲を緊張させ、陰茎に行こうとするエネルギーを会陰に引き戻す。   息を止め、筋肉は緊張させたままでゆっくり9まで数え、息が苦しくなってきたら息を吐き筋肉をゆるめる。   性エネルギーが上下に動き回るのを感じる。   1週間の練習で、筋肉の収縮によって陰茎がひっぱられるように感じ、肛門はぴったり閉まる感覚が出てくる。   呼吸は鼻で行う。空気の吸入量を調節しやすく、呼吸器官を刺激しないためである。   息を吐くときは全身弛緩し、緊張がとれて、静かに落ち着く。   注意力を会陰部に集中して、エネルギーが陰茎から漏れるのを防ぐ、   失敗すると高まって精力は消え、回復にまた1週間を費やすことになる。 3、陰茎に刺激を与えるところから始まる。   息を吸いながら両手を握り締め、両足は床をつかむようにする。   首の後ろに力をいれ、歯を強く噛み合わせる。   隔膜、肛門、陰茎など生殖器官全体を持ち上げるようにして、熱エネルギーを会陰に移動させ尾骨から、仙骨の裏の裂け目へ、引き入れる。   仙骨のあたりは湾曲させ、背骨を伸ばして、仙骨のポンプ作用でエネルギーを上昇させる。   仙骨に来たエネルギーを息を吸いながら引き上げ、体を引き上げるようにしてまた、   息を続けて吸いながらエネルギーを上に吸い上げる。3〜9回繰り返すと陰茎はゆるんでくる。   更に収縮させ、臀部を絞るようにして仙骨内にエネルギーが入るのを助ける。   息が苦しくなったところで息を吐いて、力をぬいてゆるめる。首と仙骨部も自然に戻す。   すでに睾丸呼吸の練習を積んでいる場合はすぐに仙骨の裂け目にエネルギーが入るが、一般には入りにくい。   またその時、針でさすような痛みが起こることもあるが、気をゆるめず、続けること。   ハンカチなどで痛いところをよくもんでやれば、エネルギーが流れる助けになる。 4、仙骨にエネルギーを通過させようとした場合、1週間の練習で胸椎11番の部位まで到達できる。   3と同じ過程を通して、会陰から仙骨、仙骨から胸椎11番の部位へ、エネルギーが満ちていくのが感じられる。   そのとき背筋をのばして更に上昇していくように導く。 5、次の関所は玉枕で、首の骨と頭蓋骨の接続部分である。   上記に準じて練習をする。ここを初めて通過するとき脊髄液が充満し振動するように感じられる。 6、そして、練習がすすむとエネルギーが一気に頭の頂上の百会穴に至るようになる。   このとき少しあごをひいて、首の骨をまっすぐにして、通りやすくする。エネルギーが通るとすぐに陰茎は萎縮する。   頭部にエネルギーが進入するとき、暖かさの刺激が感じられる。とても気持ちが良い。   大脳に到達した性のエネルギ−は、精神的なエネルギーに変わり、創造力の元になり、老化現象で空洞化した脳には新しい力を充満させる。   原始的なエネルギーが生命力に変わり、大脳を活性化させ、ホルモンの作用を高める。   このようにして、睾丸で生み出された性エネルギーは練習によって、一歩ずつ上昇し、大脳へそして、全身の内分泌腺へともたらされる。   決してあせって急いでははいけない。最終的には筋肉はほんのすこししか使わず、意識の集中によって、実現するのである。 7、エネルギーが脳に充満したところで、体の前面の中心を鼻からあごへ通り、   もう一方は耳からのどの中心を通り、心臓の中心へと下ろし、丹田に帰っていく。   この循環は鎖精法によって、作られたエネルギーの圧力で起こる。   あらたな精エネルギーが背中側を上昇するとき、すでに脳に達していたエネルギーは同時に前面を下降する。   息を吸いながら全身をリラックスさせ自然に循環させる。   繰り返し循環すると陰茎は萎縮する。 8、朝晩36回行う。もし、刺激が強烈で勃起がおさまるまで時間がかかるようならば、再度36回行なう。   1、2か月練習すると、健康のためになるに精気がたまる。重要なことは、急がずゆっくりやることである。   この練習をするのによい時間帯は午後11時から1時の間、あるいは午前11時から午後1時の間、自然の陰陽が交替する時間である。   太陽は夜中の12時に上り始め、正午に下り始める。こうした境目はエネルギーが非常に動きやすいのである。 9、最後に注意しなければならないことは、下半身の収縮は胃や腹部を中心として行うのではない。   あくまで陰茎、陰嚢と尿生殖隔膜を中心に、筋肉を鍛えながら精液を固定させていくのである。   そしてエネルギーの流れを内部から上部へ変え、体の健康と生命力を高めるために全身に散布するのである。  注意事項 1、仰向けに寝て練習してはいけない。胸部にエネルギーが止まり、胸部を圧迫するのを避けるためである。 2、心臓を圧迫しないように、横になるときは必ず左側を上にする。 3、横になって練習する場合、背骨に負担のかからないように、下に物を置かないように注意する。  1〜3のような問題の結果不都合が生じた場合は排気法を行う。 4、空腹時に練習はしない。食事して1時間後に練習する。 5、練習中は衣服、毛布などで寒くないように注意し、汗が出る程度が良い。練習後は衣服を変え、汗で濡れたものを着けていてはいけない。   風が入ってくるところや、電気の強いところは避け、温和で清潔名場所で行う。 6、5回の陰嚢圧縮練習の後、額に汗がたまり、さらに3回の練習で玉のようになる。   この汗は人体に必要なものなので、タオルで拭かず、手でこすって体内に戻す。 7、呼吸はすべて鼻で、口ではしない。空気の吸入量を調節しやすく、大脳に酸素を充分に送りやすいからである。 8、練習を開始して何日も効果が現れなくても、心配はいらない。睾丸内にエネルギーがたまって流れ出すまでには時間が掛かる。 9、注意力を非常に集中させるが、考えたりあれこれ思ったりせず、大脳は空白にしておくことが肝要である。   大脳の空白部分にエネルギーが入って行くからである。 10、練習のとき、目はつぶって、エネルギーの通り道を内視(見つめているように思う)し、気持ちを散らさない。厳格に通り道を辿る。    エネルギーが自然に動きだすのに合わせて意識で導くと、意識に従ってエネルギーは動いて来る。 11、便秘の人は、腸の運動を助けるため、早朝に行うと便秘に対する効果がある。 12、すくなくとも30日間は射精してはいけない。もし性交中に射精をしてしまうようなら、その間性交はしない。    *もちろん練習によって性欲が高まるが、ここをこらえて更に、高い快楽の境地に到達できるのというのが性功夫の要旨である。  反応について 1、腸が鳴り、よく動くようになる。。 2、性病がある場合は治療してから練習する。 3、短時間に大量の気体交換が行われ、腸の動きも活発になり、1、2か月の間、老廃物を盛んに出すが、いずれ収まる。 4、老廃物、毒素を排出した後唾液がおいしく感じられ、体の浄化力が強まったことがわかる。   腸の働きはますます活発になり、内臓の筋肉も動きやすくなってくる。   しゃくりが多くなるが、これも排毒作用の一つである。いずれ落ち着いてしゃっくりも減る。 5、痔の治療にはこの鎖精法が最適である。   肛門付近にたまった毒素、汚血、によって起こるもので、周囲の気血の流れが増せば改善される。                睾丸呼吸  睾丸呼吸の要領 1、姿勢、立った姿勢が一番良い。全身の力を抜いて、注意力を集中する。 2、息を吸いながら、睾丸を陰性の闇のなかから引き上げるように想像する。息を吐きながら睾丸をゆっくり下げる。36から108回。 3、力を抜いて、筋肉は使わず、舌の先を上の歯の裏に押し付けて、精液の陰性の冷たい流れが、背骨を上昇していくのを感じる。 。  陰嚢圧縮の要領 1、姿勢を選ぶ。 2、鼻でゆっくり呼吸して、のどに意識を集中、のどにある空気を圧縮して吸い込む。 3、力を入れ、腹部に飲み込む、さながら一つの空気のボールのように固める。 4、へそまで押し下げる。 5、へそから骨盤内へさらに押し下げる。 6、力を入れ続け、ボールを陰嚢へ押し込め、息を止めたまま唾液を飲み込む。 7、しばし休んで、鼻で短い呼吸をする。 8、腰部を数回まわして力をぬく。 9、5回づつ繰り返す。36回まで次第に増やす。 10、舌の先を上の歯の裏に押し付けて行う。           第七章 精気転嫁の鍵  房事は水火のごとし。水は人を助けることもでき殺すこともできる、利用の仕方次第なのである。                                    あわび  道家では気、精、神を三宝と呼ぶ。  気から精に精から神へと変化しながら、人体内を循環し、さらに天地と人体の間を循環、往復しているという。  気は呼吸のエネルギー、精は性エネルギー、神は精神のエネルギーと言い換えることもできる。  陽陰という観点からいうと、太陽、天、火、上、男は陽で地、水、下、女は陰である。  陰と陽は常に均衡と調和に向かう力が働き循環運動を起こす。この循環は目に見えるものと見えないものがある。  人体内での血液、自然界での火や水は目に見える動きであり、熱気や冷気は目に見えない動きである。  人体内では火に属する心臓と水に属する腎臓がエネルギーと血液循環の上で重要な役割をしている。  太陽からそそがれる熱のエネルギーは風や雨に変化して天地を循環している。  同様に男女の間にもエネルギーの循環がある。  男性の極性と女性の極性は互いに引き合い、交流するが目で確認することはできない。  これらの生命の妙を道家の先人は習練を積んで悟り精気神ということばで表現したのである。  陰と陽のエネルギーは絶え間なく交換が行われ、陰陽の均衡と調和に向かって動いている。  道家の性愛の鍵も陰陽の調和である。炊事を例にたとえると、陽は火、陰は水、男性は火、女性は水である。  男性は陰茎の火で女性の子宮の水を熱する。女性の性欲は強く、男性の火は押さえられる。陰柔の水は剛陽の火を消すという道理。  陰陽の勝敗  *道家では性愛を戦闘にたとえている。  男性の中には女性を征服して服従させようと考える傾向があるが、これも自然なことである。  性の戦闘場面では、相手をやみくもに撃破するのではなく、  陽の剛おさえながら繊細な技巧を使うべきなのであるが不幸なことに多くの男性は数分の間に精液を漏らし、  性欲の強い女性を充分に満足させることができないでいる。  男性は攻撃的に女性の聖域に踏み込んでいき、その間、女性は自己のエネルギーの消耗から身を守っている。  射精が完了して陰茎がなえてからも女性の欲望は高まっているが、男性はなえてしまいこたえることができない。  女性は相手に寛容になるしかないのである。  秘訣は男性が精気の喪失をしないことだ。  射精をしないことで、有利な位置に立ち、女性を失望させることもなくなる。  男性は先に使い果たしてしまうのではなく女性の高まりを誘って、共に調和の境地に入るのである。    まず陰茎を使う前に、手を使って充分愛撫し、乳房が膨脹し、呼吸が荒くなり、性ホルモンが分泌され、  女性の準備が完成するまで充分な時間を与え女性器に愛液が流れ出てくるのを待つ。  そのあとで陰茎という主要な武器を使うのである。  こうすることで、征服、服従といった陰陽の競い合いは統合され、相互の愛の中で戦いは終わるのである。  勝負は放棄され、男女双方が補われるのである。  性欲昂進  性交中の極性の原理について。  陰の気も陽の気も孤立して存在することはない。陰陽の気は根は一つの気である。  両者は決して分離して存在せず、液体内の運動のようでもあり、ゆれる振り子の振動のようでもある。  熱をもったものが冷めるようにゆっくりと変化する。  またコインの裏と表にたとえることもでき、性交のときには回転しながら解けて一つになる。  男女の性愛の時も精気がこのように男女間を休むことなく運行する。  精気の運行がある程度すすむと全身の細胞は充電状態になる。  女性の発する気が作り出す微妙に均衡する場のなかで、男性の肉体が小刻みに振動しているように感じる。  これは肉体と精神の共振状態で宇宙で砂粒が波動に揺れているような状態なのである。  しかし、このときはまだ低い高潮にすぎないかもしれない。  高度な高潮は肉体だけではなく精神的にも充実して、愛情によって相互に引き合う両極の間の循環が完成したときに起こる。  もし両者に愛情が欠けていると高度な高潮にはならないのである。  精気の循環だけではなく愛情の循環が必要である。  馬蹄形の磁石が両極接しないと強力な吸引力が発揮されないと同様に肉体、精神が密着しなければならない。  陰茎そのものは真気の出入口であり、貯えたり、コントロールしたりはできない。  *口と心と生殖器が融合して一体となったときまるで発電機のように機能する。 *黄帝の書では 1、女性が呼吸が早くなったときは気は肺にある。 2、接吻をはじめると気は心にある。 3、男を抱き締めてくるときは気は脾にある。 4、陰道がぬれてきたときは気は腎と生殖器にある。 5、臀部をゆるやかに締め唇を軽くかんでいるときは気はすでに骨に到達している。 6、脚をきつくからめてくるときは気は筋肉にある。 7、陰茎を愛撫しているときは気は血にある。 8、興奮して口で吸うときは気は全身の肉と皮膚に達している。 9、うめき声をだして積極的に求めてきたら肝に気はあり、神気の放出が始まる。   このとき女性は男性との陰と陽のエネルギーの交換の準備ができたのである。   両者の体が向き合っていれば弛緩と調和につながり、はなれていると刺激と興奮につながってくる。  *愛の芸術は刺激的姿勢と調和の姿勢が入り乱れる舞踊でもある。            第八章  固精の謎  *紀元前2世紀の記録によると、皇帝は道家の修行者から性生活の教えをこう前に、コップに酒をついで差し出した。  修行者は、陰茎をコップの酒の中に差し込んで、尿道から酒を吸い始めた。  全部吸い終わると、再びコップの中に酒を戻したのである。このようにして、  性交中に女性の愛液を陰茎から吸い込むというわざを証明したのである。  練習を積めば膀胱を真空状態にして陰茎から愛液を吸い上げることは物理的に可能である。  しかし、女性の膣内には雑菌が多く、細菌感染を引き起こす恐れがあるためこのような訓練はすすめられない。  我々が行う方法は、自己の精子と精液のエネルギーを意識で吸い上げ大脳に到達させるものである。  女性との陰のエネルギーとの交流は、女性の愛液を直接吸うものではない。  陰茎の亀頭部分は皮膚を通して容易に女性のエネルギーを吸収できるようにできているのである。  小周天の重要性 小周天の通り道を形成することによって、性エネルギーを脊髄内に貯蔵することができるようになる。   小周天は体の中心線に沿って気を循環させることである。背中側の背骨に沿って気が上昇し、胸から腹部の中心を下降する。  小周天の通りが悪いと性交の過程で高潮がきたとき、精神が緊張して気の道が塞がってしまう。  生産された熱い精気はいく道を失って陰茎から体外に簡単に出て行ってしまい脊髄に沿ってエネルギーが上昇できない。  小周天の開通の練習方法は毎朝静かに数分間座って、意識で小周天の道筋に沿って気を流すことである。  目から始め舌、喉、胸、丹田(へその下、3センチのところ)を経て、会陰におろし、尾骨を上昇、脊髄を通って大脳へ運ぶ。  始めは、気が運行しても何の感覚もない。次第に、通過する部位が熱く感じるようになる。  要領は全身の力を抜いてゆるめ、雑念をさけ、運行する穴位に意識を集中することである。  頭の中に体の部位を思い描くのではなく、部位に気が到達するように意識して導いていく。  性功夫を通じての小周天は他の方法に比較して極めて簡単である。また小周天が通らないと性功夫は完成しない。  小周天が開通することによって、気の流通を増強できるばかりではなく、血圧、不眠症、頭痛、関節炎、などを治療し、老化を防止する効果がある。  外部鎖定:三指固精法  中国ですでに5千年以上の歴史があり、簡単に習得でき、  だれでもできる三指固精法は手の指の先端で精気のでていくのを押さえる方法である。  三指固精法の要点は、射精の衝動が起こったら、右手の3本の指の先を揃えて、指の先を肛門と陰嚢の中間点にあてがい、  射精に至る前の数秒間押さえ、精液の放出を押し止めることである。              三指固精法  練習方法 1、押さえる場所を捜す。肛門と陰嚢のつけねの中間点を押してみると、ちょうどからだの底の部分で気の出入りする門がある。いわゆる会陰穴である。 2、押す力は強からず弱からず、経験によって体得する。 3、手の指の当て方。精液の通り道を3本の指で同時に押さえるのはなかなか難しい。   中指は、尿道の上を直接押さえ、ひとさし指と薬指で尿道の両脇に当て、中指を両側から挟み、指の関節を曲げ、精液が流れていかないように押さえる。 4、時間。射精が目前に迫ったときすぐに三指固精法を行う。   もちろん射精前にやるが、射精中、あるいは終わってから行っても良い。完全に射精が中止した後で手をはなす。  固精法の直接の効果は精液をその貯蔵庫に戻すことにあり、これによって体のどこかに害があるようなことはない。  なぜなら、細胞組織に弾力性があって逆流してくる精液を吸収できるからである。  精液の貯蔵庫が一杯になっているとそれ以上は貯蔵できないため、まず精子の生産量が減り、  それまで生産に要していた生命のエネルギーが節約される。  さらに道家の方法によって、まるで液体が蒸発して気体に変わるように、精液は性のエネルギーとなって脊髄を上昇し大脳に到達し全身に活力をもたらす。  精子の潜在エネルギーは化学的に分析することができないが道家では知っていた。  この三指固精法は、大抽動保精法(内部固精法)をまだ掌握できていないときに、  性愛中に精液をうしなわないために行うもので、内部固精法を完全に掌握した後は放棄する。  三指固精法を始めた当初、数回は不快な感じがあるが、使わなかった筋肉がまだ力を出し切ってないために感じる正常な反応である。  練習の段階 1、始めてから2週間は2、3日おきに1回が適当である。身体虚弱あるいは高年者は1週間に2回を越えないようにする。 2、この方法を行った後、体温が上昇してのどがかわくことがある。そういうときは水を飲むこと。 3、三指固精法を1ヵ月ないし3ヵ月続けると、性欲が高まって、陰茎が敏感になり勃起しやすくなるが、   性交の回数を調節して、せっかく蓄積できた性のエネルギーを濫用しないこと。 4、指の力を要するが、指の力が足りず、押さえ切れない場合は、腕たてふせをして鍛えるのがよい。   毎日数回、5本の指をたてて行い、力がついてきたら、次第に4本から3本へ指をへらし、回数を増やしていく。 5、*性交中に三指固精法をおこなった場合、尿道中には精子が一部残留しているので、勃起がゆるんだ後、精子が流出してくる可能性がある。   このため、もし、避妊具を併用していない場合は、勃起がゆるむ前に陰茎を引き抜き、次に挿入の前には排尿して避妊の完全をはかる。   また、射精の前に分泌される前立腺液にも精子は混入しているので、注意が必要。 6、初めのうち、性交中に三指固精法をおこなった後、疲労を感じるが、わずかなエネルギーしか消耗していないので、   体内の精気は間もなく回復し、疲労感も消える。 7、三指固精法では完全に精気をとどめることはできない。   40〜60%の精気が消耗するが、体力増強、陽性の気を培養するのには有効である。   同時により完全な内部固精法への一歩となるのである。  事後按摩会陰穴  三指固精法の後、2カ所を按摩することが必要である。  会陰穴(指でおさえて精液の流出を抑えた肛門と生殖器の中間のつぼ)ともう一つ肛門と尾低骨の間の長強穴である。 会陰:人体の前面の中心を通る気の通り道(任脈)の始点である。頭の頂上の百会穴と、足の裏の湧泉穴とを結んでいる。  天のエネルギーは百会穴から体内に入り、地のエネルギーは湧泉から体内の微妙なエネルギー体系にとりこまれる。  会陰は天と地のエネルギーの出会う重要なところである。  陰の気は大地から会陰に入り、睾丸で生産された気も会陰から入ってくる。  つまり会陰が適度に閉じていると生命エネルギーは保持されているが、射精のときは会陰が開く。  開いたままになっているとにさらに元気がもれていってしまう。  また会陰部の血液の流れが悪くなり漢方でいうお血の状態になると、健康に害を及ぼす。  長強は神経が集まっているところで、エネルギーが大脳へ向かう通路である。  薄い絹の布を小さく畳んだものを会陰と長強にあてて、人差し指と中指と薬指で27回から81回、力をいれて按摩する。  絹の布を使うのは敏感なところを刺激しないようにという意味がある。摩擦によって真気の流動を増強させることにもなる。  筋肉の緊張をほぐし、精液を再吸収させ、疲労を防止する。最も重要なことは、刺激によって、真気が百会にあがるのを助けることである。   固精法の巨大な力  固精法によって獲得したエネルギーはとても巨大で、堅い骨も振動させ緩めてくれる。  1ヵ月から3ヵ月の固精法の練習ののち、特に脳をとりまく頭蓋骨が圧力で、ふくらむように感じたりする。  気持ちよく感じる人もあり、不快に感じたりする人もいる。しかし、健康に影響があるわけではなく、  生命力が増大した結果の反応であるから両脚をよく按摩したり、穀類を多く食べ、生臭いものを食べないようにしたりするとよい。  更に高い段階に行く必要を感じない人やとてもたえられないようなら射精をして余剰の精を放出してもよい。  しかし射精は1、2ヵ月に1度にとどめておく。              *大抽動中の固精  大抽動とは性交時の内部固精法である。  射精をさせないために射精をつかさどる神経の働きを抑えなければならない。  その基本的な方法は、会陰部の筋肉の緊張と歯をかみしめ、腰部に力を入れることである。 第1歩 挿入を停止して、おしつけるようにしながら、後方へ縮める。  初心者の場合は、膣内への挿入運動は3回ゆっくり浅く挿入して1回深く膣の奥まで挿入するという方法を勧める。  膣内の最も敏感な場所は入り口から5センチの所であり、深く入ると膣の感覚はにぶくなる。  また深く入れれば入れるほど、膣は緊張してしまる傾向がある。  まだ鎖精法に熟練していない場合、あるいは女性側がとても興奮しているような場合は古代から伝わる9回浅く挿入して1回深く挿入する方法で  固精を行なうのはとても困難である。  射精しそうになったら、挿入を停止して尿道の隔膜のところに陰茎をおしつける。  陰茎は全部ぬかないで2、3センチ引き出したところで止めておくのである。抑制が働いてくるのを待つ。  挿入運動は電気的エネルギーを生み出す。精子が平時に比べて激しく運動して、大量の電磁エネルギーを発生させる。  このエネルギーの量が一定以上になったときこの部分の神経の刺激が大脳に達し射精の命令が出される。  この高潮は精神的な要素がつよく、訓練によってさらに高次の高潮を獲得することが可能である。  もし相手が強くだきしめてくるようなら、それ以上深く挿入できない程度にはなれるようにして、  相手が腰をひくようなら、それにあわせて、腰を押し出し、丁度膣の入り口付近でとどまっているようにしておく。  相手にはちょっと休もうと声をかけ協調してもらうことも忘れてはいけない。 第2歩 息を止めて9回筋肉の収縮を繰り返す。  鼻から息を吸い込んで息をとめ下半身の筋肉全部の緊張と、歯をかみしめること、こぶつよく握ことを同時にこきざみに9回繰り返す。  この収縮は力をこめて行う。大量のエネルギーを吸収させることができる。  こうして射精のエネルギーが吸収されるまで1呼吸ごとに9回の収縮を続ける。  だいたい6呼吸行なって射精の衝動が消えればそれで終える。  このようにして神経の興奮は筋肉の興奮に転化される。息を吐くときはす早く吐く。  吐くときに射精しやすいので、吐きおわったらすみやかに息を吸い次の9回の緊張に入る。 第3歩 力一杯臀部(お尻)を緊張させる。  臀部の筋肉を緊張させ臀部でものをはさむようにする。  臀部の筋肉は人体で最大の筋肉であり、これを緊張させることによって力を出す。臀部の筋肉が弾性を維持することは健康に有益である。  臀部の筋肉がたるんでくると真気はもれてしまう。  射精時には、陰茎と臀部から精気が放出される。  臀部の筋肉を強く緊張させることで、射精の衝動をやわらげることができる。  手でさぐって見て臀部が岩のように堅ければ、大脳から生殖器へ射精の命令を伝える神経を止めることができる。  また臀部を堅くすることは、日常起こる苦痛にも耐える力にもなる。   第4歩 歯をかたく噛み合わせる。  歯をかたくかみあわせ同時に舌先は上顎へおしつけのる。こうして頭部から首におりてくる神経の伝達経路を切断する。  また臀部を堅くするのをの助けることにもなる。  ここで忘れてならないことは歯をくいしばることと臀部の収縮とは必ず同時に行なうということである。  収縮によって精液は体内の奥に吸収されていき、7、8、9回目の収縮のとき最も深いところへ達するので次第に強く収縮させる。  性交の時間が長くなればなるほど、快感も強くなる。  快感が高まってきたら、尿生殖横膜を閉めて精液が本来の場所から滑りださないようにする。  精液が移動を始める前に阻止しなければならない。 第5歩  大抽動は内在する波ととらえることができる。波は亀頭の収縮から始まり会陰に伝わり臀部から筋肉を通って大脳に入っていく。  このことから真気は筋肉の収縮に導かれて百会に到達するということができる。  もしこのように大脳に到達できない場合には、一旦丹田に引き込んで、蓄積されたところで、会陰に導き脊髄を上昇大脳にいたらせる方法もある。  大抽動後の放鬆(リラックス)は陰茎内の収縮していた血管を膨張させ、大量の陰の気を吸収することができる。  こうして女性の陰の気が男性の体内に吸収される。  放鬆のとき真気は促されて上昇を始める。  練習を始めたころは大抽動を続けて行なうのは困難であるが、次第に抑制能力は高まってくる。  大抽動を繰り返すうちに同時に仕事への意欲もたかまり、家庭も円満、毎日が楽しくなってくる。 第6歩 勃起が弱まったら再度挿入運動をする。  大抽動における挿入と収縮が完成したあと再度挿入運動を行い、  亀頭が膣の中で収縮してくるとき、乳児が母親の乳を吸うように陰の気を吸収する。  ここではっきりしておかなければならない点は、大抽動とこの亀頭の収縮による吸収とは別のものだということだ。  陰茎と睾丸が収縮しながら吸収するがその他の筋肉はすでに弛緩して吸収能力はうしなっている。  真気はもう運行しない。このとき真気を固定して相手に流れていかないようにして陰茎内を精気でみたすようにする。 *大抽動の単独練習  大抽動は相手がない場合には効果はそれほどでもない。  しかし、相手がない場合でも一人で練習はできる。女性に接したときに射精を遅くできるようになっていることは必要なことである。  相手の膣に挿入するかわりに手を使って刺激するのである。  大抽動の練習と射精をもって終了する手淫とは異なる。大抽動は射精を阻止するものである。  姿勢は立っても座っても横になってもできるが、はじめは立って練習するのがいいだろう。  足をしっかり床に据えることによって大地の気と交流しやすいからである。  一人で練習するいいところは、どの程度に進んでいるか、観察しやすいことである。  陰茎を摩擦して射精の衝動がおこって、精液が移動する直前に大抽動を行なう。  大抽動を開始してから陰茎のやわらかくなるまでの時間とやわらかさの程度が練習の成果の指標になる。          第九章 陰陽エネルギーの交換  陰陽のエネルギーの絶え間ない流動によって宇宙は変化を続けている。  地球上では昼と夜の交替が陰陽の根本でこれなくしては地球上の生物は成長できない。 人類も陰陽の法則に支配されている。  男女の性の交流を断って、陰陽エネルギーの交換の法則にそむけば、生命力は知らず知らずのうちに弱くなってしまう。  射精の抑制の方法をマスターすれば、肉体と大脳の感覚が変わり、性や愛への理解が深まり、新たな境地に立つことができる。   ただ精液を膣内に入れるのでは、陰陽エネルギーの交換にはならない。大抽動によって精液は保存しておかなければならない。  情のエネルギーの交換が行なわれ、単純な射精による快楽ではない深い性の快楽を得ることができる。  *それは長時間持続する、陰陽平衡の感覚である。  性交中に生命エネルギーの消耗がないため、無限の喜びを感じることができ、快楽は二時間にも及ぶこともある。  これは一般の性高潮とは明らかに別のものである。  一般の性高潮は三角形のようで一気に登りつめ、強烈であるが、すぐに消えてしまうものである。  道家の方法は上が平らな山型で、快楽は絶え間なく沸き上がり、全身に広がっていく快楽である。  ゆっくりと高まっていき最後にのぼりつめる。その間激しい感情の爆発はなく、微妙な情感が波のように男女に押し寄せる。  山型の快楽は技術ではなく、男女双方が感じるものである。この経過を追ってみよう。 1、時間の選択   一回目の大抽動を行い一旦陰茎がゆるんでエネルギーの交換があったあと、もう一度挿入運動をする。9回浅く挿入し、1回深く挿入する。  81回の浅い挿入と9回の深い挿入を行い、再び射精衝動が起こり女性側も高潮に達したとき素早く陰茎をぬく。  膣内の潤滑液の分泌が盛んになり、陰性エネルギーが大量に発生する。さらに挿入運動をして、二度目の大抽動を行なう。  早く女性が高潮にたっしたときにはその時点で挿入運動を停止する。  このとき高まった男性の性のエネルギーは大脳に向かって流れる。  同時に男女の性エネルギーの交換が起こる。  ゆっくりと熱性の男性の陽エネルギーが女性に放たれ、冷性の女性の陰エネルギーが男性に伝わる。  ここで注意すべきは女性に男性側のエネルギーが伝わる前に女性側のエネルギーを吸収できないということだ。 2、積極的挿入を停止してお互いに抱き合う。   もし男性の体重が重いなら女性が上に、女性が男性に比べて健康なら男性が上になりしばらく安静にして陰陽エネルギーの交換を行なう。 3、肺の協調と呼吸  気という文字は本来は呼吸の意味である。性交も実際上呼吸の一種と言える。  男性の愛情と陽性のエネルギーは吐き出されて、女性の体内に流入する。  女性から吸収した生命力は大脳に導かれ、一部は体内を循環して再び女性の体内に戻っていく。  挿入運動を停止して抱き合ったあと、両者の呼吸を協調させることがポイントだ。  鼻先が相手の耳の近くにあれば、容易に相手の呼吸を計り合わせることができる。  性交をしながら呼吸を合わせることで両者は一体となり、エネルギーのバイブレーションが同調しはじめ、  女性の呼吸を敏感に感じる中で、陰茎が膣の底にたっすると、女性の生命エネルギーの奥深く入ったことを実感する。こうして生命の源泉の交流が起こる。 4、吸収されたエネルギーは背骨を上昇して大脳にいたり、吐き出されるエネルギーは陰茎に達する。  呼吸が同調している間に次第にエネルギーは大脳に吸収される。  男性は、陰性エネルギーが膣内から陰茎に侵入すると感じ、女性は陰茎から膣内へ陽性エネルギーが流入してくるのを感じる。  男女とも、流入したエネルギーは会陰から尾てい骨に至り、背中を上昇して頭頂に達し、舌から口先にあふれてくる。  このエネルギーの移動は筋肉運動だけによってではなくて、思考力によっても導かれるものである。  このことは開始当時ははっきりわからないが、経験を積めば次第にわかってくる。思考力と肉体が協調して頭部へ到達させるのである。  筋肉の収縮運動は両者間のエネルギーの交換を促進する。深呼吸で鼻からゆっくり息を吸い込み、陰茎を収縮する。  続いて会陰、肛門、臀部と収縮させ、顎と両手を収縮させる。エネルギーは同時に陰茎から、会陰を経過して尾てい骨に入り、脊柱を上昇して頭頂にいたる。  息を吸い終わったら、できるかぎり長い時間呼吸と収縮を停止する。その間エネルギーは絶え間なく頭部に吸収される。  次に筋肉を弛緩して、熱性の陽エネルギーを意識的に女性の体内へ送りこむ。  深呼吸で息を吐き出しながら頭部、喉、胸、臀部、骨盤などをゆるめていく。  ゆるみは全身にいきわたり骨盤へこの緩みの波が伝わると、陰茎から精液を伴わない熱性のエネルギーが女性に注がれる。  この収縮と弛緩はきわめてゆっくり行なわれ、女性はリズミカルにふるえる感覚につつまれる。  このエネルギーの移動は愛情とともに行なわれなければならない。  これに応えるように女性から栄養豊富な陰性エネルギーが放出され男性の体内に流入してきて、陰と陽のエネルギーは溶け合って一つになっていく。  射精の衝動が起こったら筋肉を緊張させ、射精を抑制する。  このとき女性から陰性エネルギーが男性の体内に入り、男性からは陽性エネルギーが女性側に流入し全身に満たされる。  練習を開始した当初、陰陽のエネルギーは区別することができず、ただ熱い流れと感じるが、  不射精の性交を続けていくうちにエネルギーの移動が意識できるようになってくる。  もし男性のエネルギーが女性より強力で女性に未開発のポイントがあれば、意識をその場所に集中してエネルギーを到達させ、開発を助けることができる。  ここで忘れてはならないことは、性交中には特定の穴位を意識的に開放したりしないことである。  開放した穴位は一挙に大量の陰陽エネルギーの交換が起こってしまう。 5、高原期の段階 男女の体内軌道の連絡とエネルギー循環の最高段階  高原期は激しい挿入運動を必要としない。  陰陽のエネルギーは男女の間を力強く流れ、電磁交流状態になる。  男女の体内に別々にあったミクロの体内軌道は両者一体となって循環を始める。  エネルギーの均衡化、調和が起こり愛情が更に高まってくる。  両者の体内軌道は、口と生殖器で交差しながらいろいろな形で融合していく。  男性側性器から吸収されたエネルギーは脊柱を経過して舌の先にあふれ、接吻によって女性に送り返される。  このとき、舌の先はスイッチのような働きをする。口から女性の体内軌道にはいったエネルギーは女性の体の前面を下降して膣に至る。  そして陰茎に入り、男性の脊柱に戻ってくる。  カップルによってエネルギーの交換の形はそれぞれ異なる。 6、不射精性交をしていながらも山形の性高潮が得られなくても心配はいらない。自然にできてくるものである。    エネルギーの螺旋状の通過順序 1、臍、下丹田。これは人体の体内路線の集中する場所。嬰児が母親から臍を通じて受けた驚異的な生命力を受けた臍を開放して、エネルギーを吸収する。 2、エネルギーを太陽穴へ運ぶ。脾、胃、肝などの消化系統を調整に関係がある。   健康を増進する。丹田を開放した後、太陽穴へ上げる。  3、心臓の中心にエネルギーを送る。心臓と肺の健康、更に愛情にも関係がある。 4、喉にエネルギーを送る。甲状腺は天と人のエネルギー交換の門である。 5、玄関にエネルギーを送る。神経系統と心霊系統をコントロールするポイント。額のあたりにある。精神の鎮静と緊張の緩和、恐怖感の緩和に関係がある。 6、最後にエネルギーを頭頂に導く。ここには記憶の中心、進化の門でもある。 まとめ 1、積極的に性交し、3回から6回浅く挿入し、1回深く挿入する。あるいは9回浅く、1回深くする。 2、高潮に達したら挿入を停止し、陰茎を用いてエネルギーを頭頂に吸収する。 3、抱き合って呼吸をあわせて、緊張をとり、快楽世界に入る。 4、エネルギーを体内軌道を循環運行させる。 5、瞑想を活用して、エネルギーを抱き合った体を囲むようにしながら循環させ、互いに交換する。   下の丹田に意識を集中して、波のように中丹田、上丹田に上げる。 6、生まれたエネルギーの50パーセントを上部に送ったあと、もっとエネルギーを生み出したかったら、   更度、陰茎の挿入を開始する。同時に尿生殖隔を閉めて、射精を防止する。 7、数回のエネルギー交換を繰り返し、毎回エネルギーを上部に送る。快感を感じ、ずっと丹田を瞑想する。 8、性交の過程のなか、女性も大抽動をしなければならない。膣を固く閉めてホルモンの生産を刺激する。  これは健康長寿と精神的発展に益がある。忘れてはならないのは、大抽動は筋肉と思想によって操作され、  エネルギー交換は思想と精神の操作による。女性のエネルギーの量は男性とは異なる。 第十章  性エネルギーの培養の6つの精神段階  エネルギー交換と自己の生み出すエネルギーの吸収の方法は個人によって異なるものであるし、実践しながら発展していくものである。  夜半から夜が明ける前に、自然に陰茎が勃起しているとき、陰茎を9回、18回あるいは36回頭部へエネルギーを上げる。  頭部にエネルギーが充満したら任脈を降ろし、督脈を上昇、循環させることも道家は推奨している。。 第一段階  精子の喪失を物理的に抑制する。  性交や手淫のとき、手の指で射精を阻止する。  精液の流失させず、人体の必要とする部位へエネルギーを送る。  この方法では60から70パーセントの性エネルギーが損失するが大多数の精子が体内にとどまる。  精液と精子が一定量生産されると、生産はとまる。  外部鎖精の後、陰茎は萎縮して相当な疲労感を感じるが、一定時間経過すると健康と精力は増強され性交の回数もふえる。 第二段階  性欲の高まりを物理的と智力でコントロールする。  外部からの手の指の圧力と大抽動すなわち内部からの鎖精法の組み合わせた段階である。  射精の前に手の指で会陰を抑え、上部へエネルギーを移動させる大抽動を行なう。  第一段階より精エネルギーの消耗が少ない。陰茎が萎縮するが、情欲はおとろえない。  陰茎からエネルギーが流出しないで上部へ移動させるために小周天の軌道の開放がとても重要である。  大多数の人は一旦エネルギーが尾てい骨に入れば脊柱を上昇するのは容易である。  頭部に気が上がったと感じたら気エネルギーを臍の丹田に下げなければならない。 第三段階  性欲と性欲の高まりを思想でコントロールする。  大抽動の練習を積むと思想、観念で射精をコントロールできるようになる。  特別な情感と快楽がもたらされ、高潮はゆっくりした山谷型になり、性交が神聖な陰陽エネルギーの交換になってくる。  情のエネルギーと気のエネルギーが女性と一体となった統一体を形成する。  生殖器での余剰の性エネルギーは上昇して頭部へいたり、崇高な心霊的食物になる。  大抽動はエネルギーの増強に役立ち、疲れは感じない。  お互いが誠心誠意をもってとりくまなければならない。  *しかしこのとき女性側が嫉妬や、極端な悲哀、苦悩など問題のある感情を抱いていた場合は、それを吸収して悪影響をこうむる。  まず高級エネルギーの力を発揮してそういった問題点を解決することである。 第四段階  超性  女性から受けたエネルギーは男性の体内に長く保持しておくことはできない。  自身で 夜寝ている間に、吸収したエネルギーは体内に蓄積することができる。  夜寝ている間に純潔なエネルギーが蓄えられて、自然に勃起することがある。  この時に、手淫や性交によって放出してしまうのではなく、上部に吸収することが重要である。 第五段階  人体レベルのエネルギーが大脳に満たされてから、次に直接宇宙などの外部からエネルギーを吸収する段階。  性エネルギーと宇宙エネルギーでは大海と一滴の水滴にたとえられる。  百会と印穴から宇宙と太陽の気、湧泉から大地の気を吸収する。 第六段階  人と道の融合一体化。  若い男性は美しい女性を結婚相手に選びたがるが、結婚して数年すると、美貌よりも情感の豊かさが問題となってくる。 第十一章    女性には生理がある。生理によって失われたエネルギーは、なんらかの形で再吸収されなければならない。  この再吸収したエネルギーが、性交中に訪れる数回の高潮と限りなく分泌される愛益の源となる。  女性の生殖器は内部についているため、発生した性エネルギーを上部に吸収しやすい。  訓練をしなくても、性エネルギーが外に出てしまうことは少ない。  男性は本能的な射精という在り方の特性として、エネルギーは外に出て行ってしまう傾向がある。  男性は、射精しないで、性エネルギーを蓄積しはじめると、定期的に生理で出ていってしまう女性と比べると格段に早く蓄積することができる。  女性は陰性のエネルギーであるため、精神的にも外向的拡張傾向の陽性エネルギーの男性とは異なる精神活動になりやすい。 第12章 いくつかの問題点 1、夢精と大抽動  *夢精は健康である証拠。大抽動は夢精によって失われて起こるホルモンの減少を補うことができる。 2、女性の中には陽性的激しいエネルギーをもっているものもあるが、性交によって均衡化してくる。   当初女性の陰性エネルギーは熱の流れとして感じるが、次第に冷性の流れとして感じるようになる。 3、性交の時間は長くなるので、充分に時間をとって行なう。 4、女性に精液を与えることがエネルギーの交換になると考えるのは誤りで、膣に放出された男性エネルギーをすべて吸収することはできるものではない。 5、射精しているように感じられても、射精していないという現象が起こることがある。この現象は快楽をともなう。   もし、射精につながるようなら緊縮法、または外部鎖精法を使って阻止する。   射精の前に尿道から濃い白色の液体が出てくる。これは前立腺液で、尿道をアルカリ性にする働きがある。   この液には精子がふくまれているので、妊娠の可能性がある。妊娠をさけたいなら避妊をしておかなければならない。   この液の放出を阻止することができるようにれば、射精を阻止するのは容易である。 6、大抽動が成功しなくても、射精は週一回に止めておくこと。進歩に応じて、射精の間隔を長くしていき、最後は月に一回までとする。   また、射精しても、悲観したり失敗したとは思わないこと。   射精によって、相手にいくらかでもエネルギーが伝わり、精神的満足があるのだからそれを大切にする。 7、骨盤とその周辺の筋肉、臀部の筋肉を鍛えることは、性エネルギーの保持だけでなく、健康にも有益である。 8、大抽動を開始して数週間、性欲がなくなってくることがある。これは性エネルギーが上部に吸収された結果なので、喜ぶべきことである。   周天軌道が通って、上部から生殖器へエネルギーが循環してくれば、性欲は高まってくる。 9、一滴も精液をもらさないというのは、中庸ではないのではないかと考えるむきもあるが、   この方法は目的ではなくて、神経系統と生命エネルギーの間にかかる橋のようなものだ。 10、*現代は、情欲の激しさが健康であるように言っているが、実際は性交過程中で脳が安静になったとき、宇宙のエネルギーが入ってくるのである。 11、この訓練を続けると性に対する概念が変わってくる。 12、ただ、余剰エネルギーを吐き出すだけの性交は動物と同じ、利己的ではない愛を伴った性交は身体健康に役立つ。 13、性交は相手のエネルギーを吸収するため、エネルギー状態が変わる。相手をよく選ばなければならない。    長く連れ添った夫婦が似てくるというのもそういうことだ。    相手を選ぶということは、運命を選ぶということである。    愛のない相手と寝ているとエネルギーの均衡は狂う。性は両刃の剣で、誤った使い方をすると自己の健康が害なわれる。    *もしまだ最愛の人に巡りあっていないならば、まず内部のエネルギーを蓄えることによってすばらしい相手を引き寄せる魅力を養うようにする。 14、*吸血鬼のように相手の陰性エネルギーを吸うのでない。まず男性側が性エネルギーを惜しみなく与えることによって、吸収することができる。    与える量が多いほど、吸収する量も多くなる。    エネルギーを与えないで吸収しようとしても、微量にとどまる。    また遠慮して吸収を控えるようなことがあれば、いったん女性から吐き出されたエネルギーは無駄に流失してしまう。 15、大抽動を相当期間練習してから、再び射精をすると、性エネルギーの消耗がどのくらいあるのかわかる。 16、*目はとても重要な働きを持っている。性交の間、目をきょろきょろさせるとエネルギーも散ってしまう。    目でエネルギーを導くこともできる。また、性エネルギーの消耗状態を目の輝き具合やくぼみ具合で確認することができる。 17、緊張や心理的な問題があると、性エネルギーの交換に支障がある。    情緒が安定していれば、大抽動もやりやすいので、瞑想などで鎮静させるようにする。 18、*独身者で、やみくもに性を抑圧している場合や、キリスト教の禁欲主義者などの場合、    前立腺が炎症を起こしたり、痛みや変形、ガンにもなりやすい。意識的に性エネルギーを生殖器から上部へ循環させることが大切である。 19、道家の全身の高潮は、春の一陣の雨にたとえることができる。    頭部に蓄えられていたエネルギーを濃厚に含んだ液体が全身の筋肉を柔和にし、神経リンパの緊張をとり、    隠れていた感受性に目覚める。生まれ変わったような幸福感につつまれて、意識は突然、鳥の羽毛のように軽くなる。両者は解放感にしたる。    精液は蒸発しながら、体の中心を上昇しはじめ精神的活力のもととなる。      これにひきかえ一般の性交は    生殖器は高潮に達し、筋肉はゆるんでも、頭部と精神は開放されないまま、疲労のため深い眠りにおちていく。両者の心はまた離れる。 20、一気に登りつめて、坂を転がるように冷めていく性交にたいして、道家の性交は、山あり谷ありである。    一つ山を越して、陰茎が柔らかくなるが、双方の刺激によって再び山にあがる。山の頂上にある時間は次第に伸び、谷を超える毎に幸福感も強まる。 21、強く勃起し不射精のとき、注意力を別のものに向ければ、陰茎が柔らかくなる。    しかし、注意力を性交に集中していながら勃起しないのは双方の融合が充分行なわれた結果で、これ以上必要なくなったきざしである。    陰茎がやわらかくなったまま、膣に入れておくことができるなら、そうすることで、陰茎を通して気は流動しつづける。    強制的にもう一度勃起させることはしない。 22、*独身者で大抽動練習をしていながら夢精によって寝ている間に自然に射精してしまう場合、伴侶を探した方がいい。 23、高潮の時期極力自我意識を捨て、幻想したり、空想してはいけない。エネルギーを相手に与えることだけに集中する。    相手はエネルギーのみなもとであり、相手のエネルギーレベルが高まれば自分に還ってくるものだからである。    精神の浄化と平衡に専念すること。 第十四章  身体健康のために 1、性交は生活の一部で、性交の前日から両者のエネルギーの調整を行なう。   体内に集積したエネルギーの交換であるから、どのようなエネルギーを集積したかによって結果が異なる。 2、リラックスした気分で行なう。   ほのかな光の演出、寝具衣装、香、音楽などに工夫。 3、満腹のときは性交をしてはいけない。   消化不良の原因となる。満腹での性交のとき生み出される性エネルギーの量は少ない。   性交の後、すぐ冷たいものを飲んだり食べたりしてはいけない。暖かいものを飲むと回復が早い。 4、感情が激しいとき、疲れているとき、空腹、風邪など、リラックスできないときは性交してはいけない。 5、酒に酔って性交をしてはいけない。   毛細血管がひろがっているので肺に負担がかかる。 6、性交前20分に排尿する。   排尿したらしばらくしてから性交する。   ただし、女性の生理中の場合は膀胱が一杯のほうが陰茎に血液が侵入しにくいので、性交後排尿する。 7、雷、雨、風、寒さ、暑さ、などがきびしいとき、天候が悪いときの性交は健康をそこなうおそれがある。 8、性交の前後は汗がでるような激しい運動や仕事をしない。 9、補助具には頼らない。   バイブレーターなど、補助具は、助けになることもあるが、なるべく早く卒業する。 10、性交後すぐに風呂、シャワーはしてはいけない。    電気的エネルギーは水にあたると流れてしまう。成功後充分にエネルギーを体内に吸収させてから風呂に入る。    石けんは皮膚の油分をとりすぎるので、脇の下とか、股の間などに使い、全身をせっけんでこするのはよくない。 11、挿入のとき激しすぎないようにする。    骨盤と陰茎が激しく女性にあたると、女性側が快感を感じられなくなるので、当初は射精の抑制のためにも、柔和に時間をかけて行なう。 12、春は性エネルギーが最も強まる季節。    四月五月に、精子の活動が盛ん。性交に適している。 13、性交は病気の治療効果がある。    もし男性が病弱なら、女性が主導的に動いて高潮に達する。 14、性交に新鮮味がなくなったらしばらく中止する。 15、性的幻想に陥ってはならない。 16、性交中に姿勢の無理をなくすため枕などを用意しておく。 第十五章 その他の練習法 勃起不能に陥った場合  とにかく性交をせず、回復するまで休息することである。  休息したら、風呂に入ったままで、陰茎を勃起させ、いんのうをかたく握り、100から200回しめたりゆるめたりすると効果がある。  完全に回復するまで射精は厳禁。 夢精  一般には月一度の夢精は正常である。  頻繁に起こる場合、大抽動を練習して、上部へエネルギーを流す。頭部へ上がったら丹田に下げる。 焼陽火炉  姿勢は立って、膝を曲げた馬に乗っている姿勢、または椅子に座って。横に寝てもよい。  両手をこすりあわせて熱くなったところで、片手でいんのうをつかみ、  片手を臍の少し下、丹田につけて100から300回手のひらを回転させながら摩擦する。  摩擦するとき、息をすってできるだけ長くとめて、同時に臀部、会陰(肛門の少し前)肛門を強く締め、  摩擦で生じたエネルギーを頭部へ上げるようにして、頭部へ上がったらエネルギー体の前部を丹田におろす。  左右の手を交替して行なう。  横に寝てやる場合は、右側を上にしたり左側を上にしたり交替しながら。 摩擦丹田  片手で丹田を圧しながら、片手で右の脚のつけねを36回摩擦、さらに摩擦しながら下腹部を横断して左の脚のつけねを36回摩擦する。  生殖器にはさわらないようにして、摩擦で生まれたエネルギーを生殖器に送りこむようにする。  精力向上、前立腺の刺激、精液の生産量増加になる。 脚と腰の調整  両足を前にのばして座る。両手を膝の上においておいて、息を吸いながら両手を握り、左右から頭上に上げる。  手の甲を下に向けて、肘はまげて、生殖器と肛門からエネルギーを吸い上げるように意識して臀部を引き締め、手の甲を見ながら天をおさえる。  その姿勢のまま楽にして、数秒間丹田にエネルギーを集中させる。  息を吐きながら腰を曲げて両手を足の先につける。  息を吸いながらもとの姿勢にもどり、深呼吸を数回おこなう。  10回くらいから始めて次第に回数を増やし100回くらいにする。  寝る前と朝起きたときにやるとよい。 道家排尿秘法  腎機能を強化できる。  排尿時、爪先立ちして立つのが一つの方法である。  もう一つの方法、かかとをしかり床につけて立ち、腰と背骨をまっすぐにする。  ゆっくり呼吸しながら歯をかみしめ、臀部を緊張させ、下腹部に力をいれたまま、排尿する。  おしっこの出方の威勢のよし悪しが腎効能に比例している。 勃起した陰茎を更に固くする。  親指で陰茎のつけねの上側をもち、人差し指、中指で下側をもち、波が伝わるような感じで、陰茎の先端に血液を送るようにする。 陰茎の摩擦  射精しないようにしながら、親指と人さし指で陰茎と亀頭を摩擦する。 睾丸の刺激  両手のひらをこすって熱くなったところで、片手で陰茎を握り、片手でいんのうを強く握りしめる。  にぎったりゆるめたり100回程度で手を交替して行なう。  同様にして、いんのうをゆらす。 5分程度  同様にして、いんのうを軽くたたく。5分程度  同様にして手の指でつかむように指圧する。 前立腺の按摩  人差し指にオイルなどをぬり、肛門の中に挿入して、軽くやわらかく前立腺をマッサージする。  または肛門の筋肉を振動させる。  会陰部をよく指圧する。前立腺刺激になり、内分泌を促し血液循環をよくする。 肛門を圧する練習  息を吸ったら止めて、大便をするときのように肛門を圧する。息を吐きながらゆるめる。  繰り返して下腹部が熱くなってきたら背骨へ導く。  人間は死ぬ前に直腸がゆるむという。直腸の筋力は健康のバロメーターである。 淋浴療法  大きい洗面器に水を入れ、尻を浸す。初め温水で次第に冷たくする。  温水と冷水と交替につかる。  太陽に下半身を露出させる。朝太陽に向かって立ち、の光を受けながら5分程度、陰茎を軽く摩擦する。  勃起した陰茎を太陽に向けエネルギーを亀頭から吸収する。  男女ともに性器を太陽にあてるのは効果がある。 房中術翻訳を終えて 以上途中だいぶはしょりましたがなんとか、まとまりました。 翻訳はできれば仕事としてやってみたい。しかし、全文翻訳の苦労はなかなかのもので、何度も投げ出したくなってしまうのです。 こんなものが役に立つのだろうかという素朴な疑問、さらにはやっぱり徒労に終わりむくわれないのではないかという気持ちです。 これを出版社に持って行っても一笑に付されるのではないか。 まあこのままそっとしておけば、傷つかなくていいかもと。 もし、確実に本にできそうなものがあれば、また全訳してみたい。 日本で出ている気功関係の翻訳本や解説書を読んでいると、もっとなんとかなりそうだと思う部分となかなかよくできてると思う部分があります。 やはり、図や写真がものをいいます。房中術ならきれいなモデルの写真をふんだんに使えば売れるんでしょうが、私にはどうすることもできません。 とぐちを書いたところで、何人かのかたがたから実際やってみてどうなのかという質問もありました。 もちろん、これはハウトウ書ですから、そのとおりやってみればいいわけです。 それから相手がいない場合にはどうにもならないということもありますが、相手がいなくても射精をしないというところでは同じですから。 私がこういうことを知ったのはいつだったかはっきりは覚えていません。 しかし、やりすぎで景色が黄色くなったように感じたとき、まじめにとりくむようになったように記憶しています。 それでいくと1987年頃です。三〇代中ごろです。 それまではときどき実行していた程度でしたが、40代には結構こたえてきますので、習慣になってまいりました。 本文では3指固精法あるいは外部固精といっている方法をまずやりました。次第に本文にいう大抽動になってきます。 私はこの本を読む前からやっていましたので、この本のとおりにはやってきていませんが、だいたい同じです。 小周天、内丹も同時に練習しましたので、だいぶ混同したところもあるんですが、 他の本の中にも、小周天と房中術との関係性を指摘しているものもあります。 小周天からこの本を見てみますと、どう解釈していいかわからないところもあるんです。 本文中でミクロ軌道とか、エネルギーとか性エネルギーとか陰性エネルギーとか男性エネルギーとか陽のエネルギーとか、いろいろ使っています。 エネルギーは気という意味でいいのか。深く考えると頭が混乱するので、あえていろいろに書きました。 精気神についても混乱がある。 私の理解を少し書いておきます。 精は緻密な物質で飲食物の中に含まれているが、気と言ってもよい。 精は生殖器で作られた精液と精子、とつばや消化液にもふくまれる。 気は通常空気中から人体に呼吸を通してとりこまれるが、飲食物にも含まれていて、その源は太陽あるいは宇宙である。 もうひとつ人体には父母から受けた気があり、これは先天の気あるいは元気、ともいわれ寿命と関係がある。 先天の気と飲食物や呼吸からとりこまれた後天的な気とが、体内でいろいろな働きをして成長、生命の維持をしている。 丹田は気を練る場所である。通常は臍の下の奥にある。練った気が丹田から会陰に下がると当然陰茎のつけねを通る。 気は陰茎の方へ向かおうとする。それを強引に会陰に下げ、長強に向かわせる。 このとき積極的に陰茎からも気を吸うようにして、陰嚢の気も後にまわす。そして、背骨を上昇させる。 セックスの最中にこのようにするとたしかに背中をぐいぐいと上がっていく感覚がある。まあ今では一人で普通に座っていてもこの感覚は起こる。 息を吸いながら腹をひっこめるようにして肛門をつぼめ引き上げるようにして、意識できを背骨に吸い上げるようにする。 ぞくぞくという感じで頭にもわ−っと上がってくる。 息を止めて更に頭のてっぺんに引き上げ、息を吐きながらお腹をゆるめて顔から胸、お腹の丹田に降ろす。 こんな具合です。 -------------------------------------------------------------------------------- 戻る